今回はサッカーのフリー移籍のメリット、デメリットについて書いていきます。
①様々な選択肢を与える移籍方法
サッカーにおいてフリー移籍は、契約満了した選手が移籍金無しで他クラブに移籍することであり、選手にとっては様々な選択肢を与える移籍方法となっています。
特に有力選手にとってのフリー移籍は、
・億単位の移籍金が発生しない為、自身の希望が通りやすい
・競合しやすいので好条件を引き出しやすい
・最悪所属クラブが決まらない場合でも移籍期間外に(つまりいつでも)契約できる
ことが大きく、クラブ側も多額の移籍金をかけずに済むので(厳密にはフリー移籍の場合でも金銭が発生する「移籍報酬」が設定されていますが、評価額よりは遥かに少額です。)、コスト面で非常に有益な移籍方法であると思われます。
これまでアラバ(バイエルン→レアルマドリード)、レバンドフスキ(ドルトムント→バイエルン)、バラック(バイエルン→チェルシー)、ピルロ(ミラン→ユベントス)ポグバ(マンチェスターユナイテッド→ユベントス(2012))等数々のスター選手達がフリー移籍で新天地に渡り成功を掴んでいます。
またクラブにとってもフリー選手は獲得時もメリットが多い上にもし売却できればそのままプラスとなって還ってくるので、獲得する方にもメリットは大きいです。近年ではバルセロナがオーバメヤンをチェルシーに1200万€、メンフィスを300万€で放出しており、通常の完全移籍に比べては利益幅は少ないものの損は殆どないと言えます。
②クラブに雑に扱われる可能性も
ただ勿論デメリットもあり、特に「コストがかかっていない」事は選手にとって大きな足かせになる危険性を秘めています。
クラブにとって多額の移籍金がかかっている選手=株や資産のような扱いになる為、必然的に同じような実力を持つ選手であれば当然移籍金がかかっている選手を使うよう求めます。その為移籍金がかかっていないフリーの選手はクラブから雑に扱われる可能性もあり、ポジション争いにおいて軽視されがちです。
最近ではメンフィス(リヨン→バルセロナ)、ワイナルドゥム(リヴァプール→パリSG)等が当てはまり、彼らは必要以上に冷遇された例であると言えます。
また岡崎(清水→シュツットガルト)、槙野(広島→ケルン)等、特に多額の移籍金をかけさせることに消極的なJリーグは移籍金無しで欧州クラブに引き抜かれる場合が多く、望むポジションでプレー出来ない場合や思った以上にチャンスを与えられないパターンが起こりやすい例であると言えます。
③誰もが出来るような移籍方法ではないだけに
今シーズンも鎌田(フランクフルト)やメッシ(パリ・サンジェルマン)、ギュンドアン(マンチェスターシティ)、フィルミーノ(リヴァプール)などが契約満了になり様々なクラブが移籍候補として名乗りを上げており、その動向が注目されています。
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だからこそ選手はより慎重に移籍先を選ぶ必要性があり、単なる憧れや挑戦でだけではなく、クラブがどのように自身を起用していくかをしっかりと判断して決めなければ必要以上に冷遇される運命が待ち受けてくるでしょう。
またクラブは移籍金をチーム強化に充てる部分が多く、特に生え抜きの選手はせっかく手塩に育てたのに移籍金0で出ていかれるのはサポーターやクラブにとっては耐え難いのでヘイトを買う場面が大きく、ドンナルンマ(ミラン→パリ)、ゴレツカ(シャルケ→バイエルン)等はクラブが財政的に問題がある状態で移籍金を残さず移籍してしまった為、多くの批判を浴びてしまっています。
因みにキャンベル(トッテナム→アーセナル)はフリー移籍&移籍先が憎きライバルというダブルコンボをかました為、未だに歴代でも最悪ともいえる移籍とされています。
契約満了するまでチームに求められ長年クラブに貢献した選手だけに与えられる有力選手のフリー移籍。誰もが出来るような移籍方法ではないだけに前述した選手達は良い選択肢を選べることを願っています。
では
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