今回はパリSGに移籍が決まったジャンルイジ・ドンナルンマ選手について書いていきたいと思います。
経歴
ドンナルンマ選手はACミランユース出身で、2015年のサッスオーロ戦でGKとしては史上最年少の16歳8ヶ月でセリエAデビューを果たしました。そしてその際のパフォーマンスで欧州全体に衝撃を与え、ブッフォンに続く「イタリアサッカー界の未来」と評されるようになりました。
しかし年々高まる「バンディエラ」（長く一つのクラブで活躍するプレーヤー）への期待に反してクラブとの関係は微妙な物でした。その原因となったのは代理人のライオラ氏で、当時苦しい財政状況であったクラブ側とドンナルンマ選手の待遇はこんなものではないと判断した選手側の意見はしばしば衝突。結局10代では破格の年俸を提示することで契約延長をすることになります。
そんな中でもドンナルンマ選手は安定した活躍を見せ、史上最年少でのセリエA100試合出場、2019-2020シーズンには200試合出場を果たし名実共にミランの象徴となりました。クラブもピオリ監督の元復調を果たし、2020-2021シーズンのセリエAでは久しぶりのスクデット争いを繰り広げ最終的にはチャンピオンズリーグ出場権を獲得する等躍進。名門復活の狼煙を挙げましたが、その象徴になるべきドンナルンマ選手の契約延長は難航しついに頓挫。シーズン終了後に退団が決まりました。
それでもユーロ2020では素晴らしい活躍を見せイタリアの優勝に大きく貢献すると、ユーロ終了後にパリSGへの移籍が決定。活躍の舞台をフランスに移すこととなりました。
①驚異的な反射神経と威圧感
ドンナルンマ選手の特長は「驚異的な反射神経と存在感」です。196㎝の長身に加え常人離れした反射神経で届きそうにないボールに手を届かせます。また判断力も高く的確なポジショニングを取り準備することで相手アタッカーの優位性を奪い取ってしまいます。
そしてその振舞い＆リーダーシップでの存在感は半端では無く、まだ22歳にも関わらず抜群の威圧感を相手に与えます。ユーロ2020でもPK戦までもつれた準決勝、決勝では画面外からでも感じるくらいのずば抜けた存在感を放ち、スペイン、イングランドという強豪国を次々と破る原動力になりました。
GKに求められる全ての素質を兼ね備えた選手であると思います。
②組み立ての精度
反面現代のゴールキーパーに不可欠な足元の技術には不安がありました。ビルドアップ時の組み立ての精度は不安定で、パントキックも距離は出るものの世界トップレベルの精度を誇るとは言えません。
ただ近年は磨きをかけポゼッションサッカーに十分対応出来る程の技術を身に付けいるので、今後は足元も使えるスーパーな存在になってもおかしくはありません。
③クラブでのタイトル獲得
今回の移籍はドンナルンマ選手にとっては非常に大きく苦しい決断であったと思います。代理人の存在もあり守銭奴のイメージが付きやすいですが本人は至る所でミランへの愛情を語っており、クラブへの想いも人一倍強いものであると思います。だからこそタイトルに届かないクラブの現状、そして投資に消極的なクラブの姿勢に自分の未来が見えにくかったのかも知れません。
そして新天地はパリに決まりましたが、そのクラブの判断は現時点では疑問符が付きます。クラブの正守護神には実績十分でリーダーにもなり得るナバスがおり、出場機会も十分に与えられるとは限りません。恐らく徐々にドンナルンマ選手に切り替える予定になりそうですが、それまで彼が待てるのかが心配な所です。またドンナルンマ選手を正守護神に添えるとなると精神的なプレッシャーは相当かかると思われパフォーマンスを下げる事になるのかも知れません。
ただメンタル面も強そうなドンナルンマ選手は難なく適応してしまうかもしれませんが、、、。
ユーロで代表タイトルを獲得したドンナルンマ選手。フランスの地では念願のチャンピオンズリーグのタイトルを獲ることはできるのか、注目です。
では
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