今回はインテル所属のマルセロ・ブロゾビッチ選手について書いていきたいと思います。
経歴
ブロゾビッチ選手はクロアチアのNKフルヴァツキ・ドラゴヴォリャツのユースに所属、2009年にトップチームデビューを果たします。その後、ロコモティヴァ・ザグレブ、ディナモ・ザグレブとステップアップを果たすと、2015年には移籍マーケットでの注目株となりイタリアのインテルに移籍します。
インテルではダブルボランチでの起用が主でしたが、度々強度の弱さを指摘され準レギュラーの域を抜け出さないでいるも、転機が訪れたのは2017-2018シーズン。これまでレギュラーであったボルハからスタメンを奪い返すとチームの核となりうるパフォーマンスを披露。2018年W杯のクロアチア代表でのプレーもあり、一気に世界でも有数のレジスタの評価を得ることになります。
そして2019年から指揮を執ったコンテ監督の下で一気に開花。主に3ボランチで構成される中盤で存分にゲームメイクセンスを発揮。2020-2021シーズンにはインテルのスクデット獲得に大きく貢献し、インザーギ監督に代わった今シーズンもチームの「核」として活躍しています。
クロアチア代表には2014年に初選出。前述したように2018年W杯ではモドリッチ、ラキティッチと共に魅力のトライアングルを形成。チームの準優勝の原動力となりました。
①あらゆる所に顔を出す司令塔
ブロゾビッチ選手は「あらゆる所に顔を出す司令塔」であると言えます。初期配置は中盤の底が多いですが、ピッチのあらゆる所に顔を出しボール巡回を巧みに助けていきます。特にビルドアップ時のポジショニングが素晴らしく、相手の守備に即座に対応して的確なポジションに就くため相手は非常に捕まえにくいです。
そして両足から繰り出されるパスも高い精度を誇り、セットプレーでも大きな武器となっています。
またプレーするエリアも非常に広い為マンマークを付けるのも難しく、更に守備時には相手アンカーにプレスをかける等運動量と判断力にも非常に長けており、従来のレジスタ像を変えた存在であると言えます。
②課題がある対人プレー
反面フィジカル的には秀でたものが無い為、対人プレーには課題があります。1対1は特段優れているわけでは無く、味方との連動やインターセプトでボールを奪うスタイルで、周りの選手との連動やサポートが不可欠になっています。
その為インテルではバレッラ、ガリアルディーニ、ビダル、クロアチア代表ではモドリッチ、ラキティッチなどプレーモデルを共有できた選手、そして自身を理解して起用し続けたスパレッティ監督やコンテ監督、ダリッチ監督がいてくれたことは彼にとって大きな幸運であったと思います。
③自身の輝きは増す一方
現状のインテルではビルドアップ、守備共に「核」として活躍し、リーグ戦ではハンダノビッチと共にここまで全試合出場する等チームに不可欠な存在となっています。
しかしこれまでと違うのは「より警戒され」「より輝いて」いることで、彼がプレーによって大きな違いが生み出されていることも多く見られます。ただその分ブロゾビッチ選手に対する依存度は高まっており代役もいないので(プレースタイルが特殊なのも大きく関係しています。)、彼がゲームから消されると途端に機能性が落ちてしまいます。特にビルドアップ面では顕著で、いかに彼抜きのビルドアップを確立できるかが勝負になると思われます。
今や「ブロゾビッチ番」(ユベントスのクルゼフスキが有名です。)が毎試合起用される程素晴らしいプレーを見せているブロゾビッチ選手。今後の活躍も期待しています。
では
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