今回はレアルマドリード所属のルカ・モドリッチ選手について書いていきたいと思います。
経歴
モドリッチ選手は幼い頃から戦争の影響で各地を転々とする生活をしていました。しかしクロアチアの名門「ディナモ・ザグレブ」の下部組織に入団すると18歳でプロ契約を勝ち取ります。しかしチームには将来を嘱望されたクラニチャールが居た為レンタル生活を余儀なくされます。
ただそのクラニチャールがライバル「ハイドゥク・スプリト」に移籍すると入れ替わるように台頭、リーグ3連覇に多大な貢献を果たしリーグ年間最優秀選手に選ばれました。
その才能を射止めたのはイングランドのトッテナム。移籍金はクラブ最高金額の2300万€が大きな期待の表れです。その期待にモドリッチ選手は見事に応えます。入団当初は慣れない起用や怪我に悩まされましたが、適応した後は司令塔としてチームに君臨します。しかし当時ビッグ4(ユナイテッド、アーセナル、チェルシー、リヴァプール)がタイトルを独占していた為、タイトルに縁がなく2012年に紆余曲折を経てスペインのレアルマドリードに移籍します。
その後の活躍は言うまでも無く、リーグ優勝2回、カップ1回、チャンピオンズリーグ4回、クラブワールドカップ4回のチームタイトルに大きく貢献。2018年にはW杯の活躍も評価され、ロナウド、メッシが10年間独占していた「バロンドール」に輝きます。現在もチームの中心選手として「白い巨人」でタクトを振っています。
①全てを見通すような戦術眼
モドリッチ選手の特長は「全てを見通すような戦術眼」です。両足を起用に使うボール技術や豊富な運動量も勿論魅力的ですが、戦術眼とサッカーIQが別格です。プレーをしながらまるで上からゲームを見ているような的確なタイミングでプレーテンポを変えたり、チームに必要なスペースにボールを引き出したり送り込んだり出来ます。その姿はまるでピッチ上の指揮官といった所で、モチベーションを上げる所では超一流ながら戦術にはやや疎いと言われているジダン監督に対して的確なサポートを行うことが出来る選手です。
またかつて選手としても監督としてもピッチ上を支配していたヨハン・クライフ氏と風貌やスタイルが似ており「クライフ2世」と呼ばれ、その名に恥じない能力を持っています。
②落ちてくる運動量とフィジカル
ただ稀代の司令塔も今年で35歳、縦横無尽に走っていた運動量や当たりに負けないフィジカルに衰えがあるのは否めません(それでもトップクラスですが、、、)。
実際途中交代も増えてきて、走り負けや当たり負けする場面も散見されます。また新しい選手(バルバルデ等)の台頭でベンチスタートも多くなっています。
後々は限定的な起用になってくるでしょう。
③代えがたいその頭脳と経験
しかしその代えがたい頭脳と経験はチームに多くをもたらしています。その集大成とも言えるのが2018年のロシアW杯でした。初戦のナイジェリア戦にPKで得点を奪うと、次戦のアルゼンチン戦では戦前の苦戦予想を見事に覆す3-0の圧勝。その試合の追加点のミドルシュートは語り草になっています。
そしてアイスランド戦も勝利し、3連勝で決勝トーナメントに進出するとデンマーク、ロシアを共にPKで撃破、そしてコンディション的圧倒的不利な状況でイングランドに延長で勝利するなど快進撃を続けます。惜しくも決勝ではフランスに敗れましたが自身は3試合でマン・オブ・ザ・マッチ、大会最優秀選手に選ばれるなど、相方ラキティッチと共に試合をコントロールし続けました。
ここまでクロアチア代表では129試合に出場して16得点と、申し分ない成績を残しています。
クラブでも代表でも欠かしてはならない頭脳として活躍しているモドリッチ選手。今後のプレーも楽しんで見たいと思います。
では
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