※ネタばれ有
今回は「シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇」の「碇シンジ」について書いていきたいと思います。
過去記事はコチラ↓↓
①考え立ち直る時間を与えられる
前作の「Q」で自身の行動が悉く裏目に出て「親友」になったであろうカヲルを目の目で失うなど絶望真っただ中のままアスカにアヤナミレイと共に引き連れられたシンジですが、トウジやヒカリ、そしてケンスケと当時の友人との再会も彼の心の傷を癒すことは出来ませんでした。
ただ大きかったのは彼らが「大人」であったことで、彼らの支えによって考え立ち直る時間を与えられたシンジは徐々に自身の結論に近づき、自身の想ってくれたアヤナミレイの消滅により、ミサトと共にネルフや父ゲンドウと戦うのを決意しました。
「ありがとう、ケンスケ。トウジたちにもありがとうって伝えておいて。アスカ、僕も行くよ。」
カヲル死後兎に角激動の動きを見せた旧劇場版と違い、早急に結論を求められなかったことは14歳であるシンジにとっては非常に大きく、展開の違いがあったのは必然であったとも言えます。そういう意味ではあの無駄に長いと評されている前半パートも必要であると思われました。
「僕は僕の落とし前をつけたい。」
②父との対話
そしてシンジはマリの助けもあり、今までありそうでなかった父との対話を「初めて」行います。「ユイにただ会いたい」父の想いを知るシンジはその想いを受け止めながらも自らを犠牲にしたミサトからガイウスの槍を手にし、父が起こそうとしたアディショナル・インパクトから続くフォース・インパクトを止め、Neon Genesis(新世紀)を目指します。
その過程としてシンジは彼を取り巻く3人の人物の「救済」を行うことになります。
「そうだ。僕もエヴァに乗らない生き方を選ぶよ。時間も世界も戻さない…ただエヴァがなくてもいい世界に書き換えるだけだ。新しい…人が生きていける世界に。」
③理想的なハッピーエンド
まずは13号機によって取り込まれた「父親」のような大人の男性を求めるアスカを救出し、シンジを助けることにより自分が救われようとしたカヲルを救います。
そして「破」で初号機の中に囚われた綾波レイと消滅したアヤナミレイも自身の居場所を見つけることで救われ、前者はシンジに別の可能性を提示してエヴァから離れることを決め後者は村で学んだおまじない(握手)と感謝の言葉を伝えます。
シンジはその後自身の消滅と共にガイウスの槍を突き刺しエヴァンゲリオンの消滅を図りますが、初号機(ユイ)、そしてゲンドウが代わりに行うことでエヴァは消滅。マリの迎えもあり現実世界に戻ることとなりました。
「さようなら,全てのエヴァンゲリオン。」
そして未来、大人になったシンジはマリと共に宇部市の駅を駆け出していくのでした。
旧劇場版では「元に戻す」ことを決めたシンジですが、新劇場版では「前進する」ことを決めました。それは決して皆にとって「気持ち悪い」ものでは無く彼らにとっては理想的なハッピーエンドを迎えたと思います。
では
|
|