今回は複数クラブ所有のメリットとデメリットについて書いていきます。
①近年急速に進められている「グループ化」
近年一つの企業が複数のクラブを買収し、そのクラブ間でパートナーシップを結ぶケースが多くなり、所謂「グループ化」が近年急速に進められています。
有名なものを挙げると、
RBライプツィヒ(ドイツ)
FCリーフェリング(オーストリア2部)
を所有するレッドブルグループ。
ジローナFC(スペイン)
メルボルン・シティFC(オーストラリア)
横浜F・マリノス(日本)
他7チームが参加しているシティ・フットボール・グループが主に思い浮かびます。
②技術とノウハウの共有化
このグループ化のメリットとしては「技術とノウハウの共有化」にあります。
レッドブルグループは2012年からラングニック氏(現オーストリア代表監督)をSDとして登用し、彼が掲げる「8秒ルール」を始めとしたインテンシティの高いサッカーの浸透と、独自の補強戦略をグループ全体で推し進めること
その結果RBライプツィヒがチャンピオンズリーグ常連チームになる等躍進。
さらにハーランド(マンチェスターシティ)、ソボスライ(リヴァプール)、南野(モナコ)等各国リーグの主力として活躍する選手や、ナーゲルスマン(ドイツ代表)、グラスナー(クリスタルパレス)、ヒュッター(モナコ)等監督も多く輩出。今や欧州サッカーで一、ニを争う影響力のあるグループになっています。
そして少し遅れてシティ・フットボール・グループもグアルディオラ監督の就任後、彼のサッカーのノウハウを取り入れる事に徐々に成功していき、今シーズンはジローナがクラブ初のチャンピオンズリーグ出場権を獲得、今後の躍進も期待されています。
また企業からしても一つのクラブを所有し運営するよりも多数のクラブを所有した方が経営的にもリスクヘッジとなり(景気の変動による影響や依存性が薄まる)、株式を取得する資金さえあれば積極的に行いたい方式ではあります。
③コンペティションの参加制限
反面デメリットもあり、特に問題視されるのがコンペティションの参加制限。現状UEFAの規約ではコンペティションを一つの企業に私物化させない為、「同一の出資者または個人が運営する2つのクラブは同時に出場することができない。」とされており、チャンピオンズリーグ出場権を得ながら同じレッドブルグループのザルツブルクとライプツィヒはどちらかが参加出来ない事が危惧されました。
その際はザルツブルクをスポンサー、ライプツィヒを共同出資者と位置する事で両チームが出場を可能としましたが、今シーズンもマンチェスターシティとジローナ、マンチェスターユナイテッドとニースが同じ問題を抱えることに。
共に所有株を減らす事で解決を図ろうとするもかなりグレーな対応であることは間違いなく、このグループ化が進めば進むほどUEFAの対応も変わってくるかと思われます。
最先端とも言えるノウハウの共有や経営面でメリットが大きい一方、大きな利益を生む大会の参加制限が壁となる複数クラブ所有。今後どのような流れになっていくのか、引き続き追っていきたいと思います。
では
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