今回はパリSG監督に就任したルイス・エンリケ監督について書いていきたいと思います。
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経歴
ルイス・エンリケ監督は現役時代レアルマドリードとバルセロナ両方でプレーし、そのアグレッシブなプレーでバルセロナでは「闘将」として愛された稀有な経歴を持った選手でした。
2004年に現役引退すると、2008年にFCバルセロナ・アトレティック（現バルセロナB）の監督に就任しクラブに復帰すると、2009-2010シーズンには当時3部だったチームを2部に導き、さらに翌シーズンには本来ならば1部昇格プレーオフに進出できる3位にチームを躍進させます。
すると2011年にローマ（イタリア）の監督に就任。クラブから積極的に強化をしてもらいながらもチームを軌道に乗せる事が出来ずに7位に。1年での辞任を決めますが、2013年に就任したセルタではその攻撃サッカーで前年降格圏だったチームを8位に導きます。
その結果もあり2014年にバルセロナの監督に就任するも、当初はスター選手の扱いに苦心。特にメッシとの関係は破綻寸前とも言われていましたが、「MSN」の導入により就任初年度に3冠を達成。その後2年間チームを率いて短期間で2度目の黄金時代を築き上げます。
その後2018年にスペイン代表監督に就任。一時期は個人的な理由（娘の病気）により2019年に一度は現場を離れるもすぐに復帰。ユーロ2020では未来が明るいサッカーを繰り広げるも、カタールW杯は日本に敗れモロッコ代表にPK戦の末敗退と結果を残せず退任。
そして2023年7月6日にパリSGの監督に就任。悲願のチャンピオンズリーグ制覇を果たす為に招聘される事となりました。
①一貫性のあるマネジメント
ルイス・エンリケ監督の特長は「一貫性のあるマネジメント」です。
バルセロナでは「MSN」を中心としたチーム、そしてスペイン代表ではボールポゼッションをベースとした段階的に相手を崩すチームを作る等、強い意思を持ってチームを指揮し一貫性のあるチーム作りを行うことが出来ます。またカタールW杯ではPKの練習を繰り返してきたことからも細部に非常にこだわっており、「チームを勝たせる」事に対してあらゆる角度から真摯に取り組める人物であると思います。
また選手時代にも発揮していたリーダーシップも変わらず溢れ、会見でもユーモア溢れる受け答えが出来る事から言語化能力にも優れており、「この人の下で戦いたい」と思わせてくれる監督であると言えます。
②柔軟性には富んでいるとは
ただ反面その一貫性の高さが故にかなり頑固ことでも有名で、ローマ戦ではポゼッションに拘り過ぎて勝ち点を落とし続け、バルセロナでは一時期は修復不可能とまで言われる程メッシとの関係を悪化させる等、柔軟性には富んでいるとは言えません。
また前回のスペイン代表でも攻守において連動した組織を作りながら、日本、モロッコに足元をすくわれる等、自分たちのサッカーが通用しない際の流れを変える采配もあまり得意ではなく、嵌れば非常に魅力的で組織的なサッカーを展開する一方、嵌らなければあっさりと負けてしまう、そのような危うい面も持ち併せています。
③厳しすぎるノルマに対してどこまでアプローチしていけるか
そんな中でのパリSGの監督就任。このクラブは成功のハードルが非常に高く、運にも左右されるチャンピオンズリーグ優勝を絶対条件としています。
さらにメッシが去り、エンバぺも現在クラブと大揉め中とクラブは相変わらず混沌としており、まずは監督はチームに平穏をもたらすことが求められます。
またここまで獲得された選手（シュクリニアル、ウガルテ、リュカ、アセンシオ、イ・ガンイン）が監督の意向に沿ったものであるとも思えない（過去を見ても明らかです。）ので、いかに用意されたスカッドで前半戦で最適解を見出しつつ後半で勝負を懸けられるか、注目です。
余りにも監督を行う上で難しすぎるクラブに就任したルイス・エンリケ監督。現状では厳しすぎるノルマに対してどこまでアプローチしていけるか、期待しています。
では
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