今回はパリSGに就任したマウリシオ・ポチェッティーノ監督について書いていきたいと思います。
経歴
マウリシオ・ポチェッティーノ監督は現役時代はニューウェルス、エスパニョール、パリSG、ボルドーなどで活躍した選手で、アルゼンチン代表でも2002年W杯に出場しました。
引退後は外国人選手として最多出場となったエスパニョールの監督に就任、不振に陥ったチームを降格圏から救い出し、その後も質の高いサッカーを見せ中位に留まります。しかし2012年に成績不振の為、解任されます。
その後イングランドのサウサンプトンの監督に途中就任。再び降格圏に沈んだチームを救う采配を見せます。翌2013-2014シーズンにはチームをプレミアリーグ初の8位に導く等卓越した手腕を見せると、翌2014-2015シーズンにはイングランドの強豪トッテナムの監督に就任します。
トッテナムではタイトルこそは手に届かなかったものの、チームを優勝争い常連に仕立て上げ、チャンピオンズリーグではクラブ初の決勝に導きました。
しかしその後クラブや選手との関係が悪化されたとされ結果も出ず、昨シーズン途中解任されました。しかしその手腕は高く評価され、マンチェスターユナイテッドやレアルマドリードなどの就任が噂されましたが、古巣でもあるパリSGがトゥヘル監督の解任に合わせて契約にこぎつけた形となりました。
①規律と戦術に長けた指揮官
ポチェッティーノ監督は「規律と戦術に長けた指揮官」と言えます。茶目っ気溢れる会見や穏やかな外見と違い、かなり厳格な監督として知られ規律を破る選手には容赦ない一面を見せます。特に周りにリスペクトを欠いた行為には非常に厳しく、過去にはオーリエ、タウンゼント等を厳しく罰しています。
しかしその行動が「So Spursy(スパージー)」と呼ばれ、魅力的なサッカーはするもののどこか勝負弱さ、力弱さを感じさせたトッテナムを「戦える集団」に変えました。未だにタイトルには届いていませんが、プレミアリーグを代表する「ビッグ6」に数えられる程の強さを身に付けたのは、彼の存在が大きかったと思います。
また育成能力に非常に長け、ソン・フンミン、デレ・アリ、ルーカス等現主力は、彼の元で花咲いたと言っても過言ではないでしょう。
kichitan.hatenablog.com パリではバッカーやダグバ、キーンの成長に期待したいです。
②ハイラインハイプレス
また戦術家としても優れていて、「ハイラインハイプレス」をベースに相手の布陣にバッチリ嵌める戦い方ができ、相手を押し切るようなサッカーを展開します。特に2018-2019シーズンのチャンピオンズリーグでシティ、アヤックスを破った戦いぶりは感動しました。
反面ボールを持った時の打開はエリクセンに依存することが多く、彼が離脱した際は攻撃のデザインに相当苦労していました。プレスのバリエーションは豊富ながらビルドアップや連動した崩しのデザインは苦手と思われます。
③エゴをどうコントロールしていくか
ただパリSGの就任において一番重要な所は「エゴをどうコントロールしていくか」です。
現在パリにはネイマール、イカルディなどエゴの強い選手が多く、フロントにもレオナルドSD筆頭に一癖も二癖もある人物が数多くいます。トゥヘル前監督は選手は上手くマネジメント出来たものの、フロントとの関係が悪化し解任されました。過去の監督も選手、フロントのエゴのぶつかり合いによって辞任・解任した人は数多くいます。
ポチェッティーノ監督も例外ではなく、チーム内外で渦巻くエゴに対してどこまでバランスを取る「政治力」を持っているかが注目される所です。トッテナムでの最終年に、全権監督の要望などの自身のエゴで自滅した二の足を踏まないようにしたい所です。
ポチェッティーノ監督の新たな挑戦、注目していきたいです。
では