今回はトッテナムで苦しいシーズンを送っているモウリーニョ監督について書いていきたいと思います。
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①遂行する戦術とルールとの相性の悪さ
今シーズントッテナムが苦しんでいます。プレミアリーグではケイン&ソンのコンビが猛威を振るい序盤こそ首位に立ったものの、ケインの離脱もあり失速。上位陣との試合も悉く落とし中位に低迷し、そのまま上昇することなくチャンピオンズリーグ出場権も危うい状況にあります。
頼みのカップ戦であるヨーロッパリーグもベスト16でディナモ・ザグレブにまさかの大逆転負け、FAカップも壮絶な打ち合いの末エバートンに敗れ、残すのはシティとの決勝を残すリーグカップのみとなっています。
その要因としては
・ケインの離脱
・DFラインのタレント不足
・ベイル、アリの機能不全
等が挙げられますが、最も感じたのは「遂行する戦術とルールとの相性の悪さ」にあると思われます。
モウリーニョ監督はペナルティエリア内で陣を敷き、奪った所でロングカウンターを仕掛ける戦術を好みます。しかしVARが導入された現行ルールでは
・オフサイドが取られやすい→そもそもDFラインが低い為オフサイドが取れる状況が少ない。
・ペナルティエリア内のプレーの精査(ハンド、ファウル等)→DFラインが低い為ペナルティエリア内に進ませることが多い
のでかなり相性が悪いとも言えます。PKを与えてしまったりペナルティエリア付近でのファウルでのセットプレーでの失点も目立ち、特に後半30分以降の失点が多く、終了直前で引き分けに持ち込まれたり逆転されたりとらしくない部分が目立ちます。
それでも変えればいいという考えはありますが、勝利をもたらし続けていたスタイル(CL優勝もしています。)を変更することは容易ではなく、所謂「アップデート」が出来ない状況で苦しんでいる印象を受けます。
②選手のマネジメント面の苦戦
また「選手のマネジメント面の苦戦」もあったと思われます。モウリーニョ監督は「敵を作りチームを団結させるマネジメント」が得意です。
チェルシー時代にはアーセナル、インテル時代はローマ、マドリー時代にはバルセロナと強大なライバルを挑発しながらも自分の舞台に引き入れ、選手達のモチベーションを一気に上げて試合に勝利し続けていました。(反面継続性に欠け、2年が限界とも言われていましたが)
ただチェルシー2度目、ユナイテッド、そしてスパーズではその手法は次第に内に向けられ、選手やスタッフに批判が向くようになりチェルシーではパワハラ発言、ユナイテッドではポグバとの軋轢を生み出すこととなりました。
原因としてはやや近年の選手のマネジメントに苦戦しているからだと思われます。テリー、マテラッツィ、エトー、イブラヒモビッチ、セルヒオ・ラモス、彼らは「問題児」と言われながらも「勝利」に全てを懸ける「戦士」であったことは疑いようはなく、同じ共通目的の元、発破をかけられてチームを奮い立たせる反発力や強烈なリーダーシップを持ち合わせていました。
しかしユナイテッドではポグバ、スパーズではデレ・アリと発破をかけるとむしろ拗ねてしまうタイプの選手がおり、チームリーダーもユナイテッドではルーニーはいたもののスパーズでは「優等生」のケインやロリスと、やや発破をかけるにも効果は薄そうなメンバーがいます。
そんな中指揮官が批判(発破をかける)をしてしまうと、反発力の無いチームでは不信感しか生まれません。最近のモウリーニョ監督の言動からはそのような「空回り」を感じてしまうことがあります。
③戦術やマネジメントのアップデート
成績が振るわず尚且つ選手達の移籍話が噴出し、モウリーニョ監督はスールシャール監督とやり合う等最近ではやや感情的な言動も目立っています。
また成績を残せなかったという事で例えリーグ杯を制しても退任は免れないとも言われており、「タイトル請負人」であるモウリーニョ監督の立場も危うくなっています。
トッテナムを引き続き指揮するにしてもモウリーニョ監督には「戦術やマネジメントのアップデート」が不可欠になっています。特にビルドアップの形を複数持つことは、現代サッカーの強豪チームにおいてはもはや「最低条件」になりつつあります。
またマネジメント面でも違うアプローチが必要なのかも知れません。
今や「時代遅れ」とも言われているモウリーニョ監督のサッカー。しかし試合の流れを読む能力と守備戦術はまだ錆びついてはいません。今後の動向に注目していくと共に、再びユーモア溢れる「モウリーニョ劇場」が開幕してくれることを願います。
※19日トッテナムはモウリーニョ監督の解任を正式発表しました。
では
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