今回はジョゼ・モウリーニョ監督のローマ就任について書いていきたいと思います。
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①電撃的な発表
5月4日、電撃的な発表がされました。
「ジョゼ・モウリーニョ、来季のローマ監督就任」。かつてインテルでイタリアサッカー史上初の3冠(スクデット、コッパイタリア、チャンピオンズリーグ優勝)を達成し、僅か2年の就任ながら歴史的なチームを作り上げた名将が再びイタリアに戻ってきました。
ローマとの契約は3年で年俸は約700万€。ただ最初の1シーズンはトッテナムとの違約金がまだ残っているのでローマは約500万€の支払いで済む条項になっているようです。トッテナム側も1600万€→約1000万€に支出が抑えられるとのことで、両クラブも負担減になっており共に有益な契約となったみたいです。
②固いブロック守備と弱点を的確に突くしたたかさ
モウリーニョ監督の特徴は「固いブロック守備と弱点を的確に突くしたたかさ」です。何より点を取られる事を嫌い、サイドバックにサイドハーフに付かせる程徹底させる守備陣形を作り上げます。そのブロック守備は「ゴール前にバスを留める」と評され、チェルシー時代にはプレミアリーグのリーグ最少失点記録を樹立する等、難落不落の砦を築き上げます。
攻撃は主にカウンターが主体で、快速アタッカーを生かしたロングカウンターが得意です。判断力に優れたトップやトップ下と突破力に優れたウイングを好んでおり、チェルシーではドログバ、ランパード、ロッベン、インテルではディエゴ・ミリート、スナイデル、レアルマドリードではエジル、クリスティアーノ・ロナウド、マンチェスターユナイテッドではルカク、ラッシュフォード、トッテナムではケイン、ソン・フンミン等彼の戦術の元で活躍した選手も多いです。
ただボールを持ったサッカーは得意では無く、ビルドアップの構築や引かれた時の守備陣の崩し方は個人の力によるものが多いです。
そして弱点を突くしたたかさは超一流とも言え
・空中戦に弱いサイドバックに長身選手を当て基準点にする
・対人に弱いサイドに徹底的にボールを送り込む
・相手のキープレイヤーをあらゆる手で無力化させる
等、様々な手でチームを勝たせようとします。また時にはマスコミや周りを利用してチームのモチベーションを上げたり、発破をかけて選手を奮起させる等「勝利」の為にはあらゆる手を尽くすリアリスティックな哲学を持っています。
またコミュニケーション能力が非常に高く、6か国語を操り独特の言い回しで新聞を賑やかせたり、時にはやや過激な言葉を使い自分のペースに引き込んでいきます。その一連の行動は「モウリーニョ劇場」と評され注目の的になります。
③あらゆる面で状況が違う
以上のようにサッカー史に残るぐらい癖が強く優秀な監督ではありますが、新天地では相当苦労することが予想されています。
まずトッテナムでもあったようにモウリーニョ監督の戦術やマネジメントのアップデートが不可欠になってきます。ローマも長年タイトルから見放されているクラブで(最後のタイトルは2007-2008シーズンのコッパイタリア)状況的にはトッテナムと酷似しています。
ただモウリーニョ監督就任で成功したクラブは
・戦力(特に守備陣)がリーグ内でも整っておりリーダーシップに優れた選手がいる
・ビックタイトルを求めながらも惜しくも手に届かないもどかしさを抱えている
・強大な「敵」(ライバル)が存在している
という共通点を抱えています。そんな中ローマは
・戦力は粒ぞろいながら整っているとは言い難い(特に守備陣)
・近年はタイトル争いにすら絡めていない(直近では2016-2017シーズンのリーグ2位)
・最大のライバル、ラツィオも絶対的な強者ではない
と近年務めたクラブとはあらゆる面で状況が違っています。
またローマというクラブは非常に人気があり熱狂的であると言われており、過去ルディ・フェラー(現レバークーゼンSD)、ルイス・エンリケ(現スペイン代表監督)、リュディ・ガルシア(現リヨン監督)そして現在のパウロ・フォンセカ監督等名だたる外国人監督がその結果を求めすぎる体質により辛酸を舐めています。
そんな状況の中、モウリーニョ監督がどう立ち振る舞って尚且つ結果を残していくのか注目です。
今までとはまた違う毛色のクラブに就任するモウリーニョ監督。現状では不安でしかありませんが、この評価を覆す結果を出してくれることを願っています。
では
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