今大会日本と共にグループリーグで素晴らしいインパクトを残したモロッコ代表。自慢の堅守がスペイン代表相手に通用するか注目です。
ということで先日行われたカタールW杯決勝トーナメント1回戦スペインvsモロッコの感想です。
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両チームのスタメン&結果
前半
スペインは守備4-4-1-1、モロッコは守備4-1-4-1の4-3-3を採用していました。
試合はスペインがボールを保持していきますが、モロッコはブスケッツをエンネシリ、アムラバトで挟む守備で抑えつつ、インサイドハーフにボールが渡ると躊躇なくセンターバックが潰しにかかる果敢な守備が機能しスペインに上手く攻撃をさせません。
そして素早くサイドに展開するカウンターでチャンスを作り出し、スペイン守備陣を脅かしていきます。
一方攻めあぐねるスペインは所謂3人目の動き出しが足らずマークのズレを作れません。特にニアゾーンを使おうとする意識が足りておらず、奥行きが足らず攻撃は停滞。そこで頼りになるはずのウイングの突破もマズラウィ、ハキミの両サイドバックの対人守備の前に沈黙。ただモロッコの攻撃もスペインのプレスバックの速さに止められ前半はスコアレスで終わります。
後半
後半スペインはオフザボールの動きは若干変わるものの肝心のペドリが低い位置でボールを保持する等中々崩しには至りません。しかしモラタ、ソレール、ニコ・ウィルアムズを投入すると徐々にスペインペースに。やや運動量が落ちたモロッコ守備陣を押し込んでいきます。
そこで光ったのはアムラバトのカバーリング。2手先3手先を見据えたような守備でスペインの攻撃を未然で防いでいくと、守護神ブヌも素晴らしいセービングで耐えぬき試合は延長に突入します。
延長・PK戦
延長に入り再びモロッコが攻勢に出ると、抜け出したウナイが1対1の場面を迎えるもウナイ・シモンのセーブにより得点を許しません。
スペインはサラビア、ソレール、ブスケッツがブヌに止められると、モロッコは3本を決め試合終了。モロッコが同国史上初のベスト8に進むこととなりました。
総評
スペインは攻撃の奥行を作るのに苦労したのが敗因であると思います。ペドリ、ガビは組織されたプレスに苦労して中盤の機能性が低下すると、両ウイングには裏抜けの動きが少なく攻撃に奥行きが無くなり怖さが激減。瞬間的な連携に頼る他ありませんでした。
後半途中にモラタ等が投入されかなり改善は見られたものの、喰らいつくモロッコ守備陣を振り切ることが出来ずに最後にはPK戦で力尽きる事となりました。
ただ個の力に頼れない中ここまで組織的なサッカーを構築出来ているルイス・エンリケ監督の手腕は評価されるべきでしょう。
一方モロッコは個人的に最も驚いたチームとなっています。元々個の力は高いものの監督交代があり時間が余り無い中、ここまで一貫性のあるチームを作れたレグラギ監督の手腕は称賛されるものです。
特に守備陣の組織力の高さ、そして個を生かそうとする役割の与え方は素晴らしい物で、ベルギー戦ではやや相手の自滅感はあったものの、このスペイン戦での勝利でこの強さが本物であることを示しました。戦前は監督が途中就任、個はあるもののまとまりに欠ける集団と思い込んでしまっていた為、固定観念はやめておいた方がいいと思い知らされたチームとなりました。
見事に今大会一のダークホースぶりを見せてくれているモロッコ代表。次のポルトガル戦でもサプライズを起こせるのか、注目です。
では
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