今回はローマ移籍が決まったパウロ・ディバラ選手について書いていきたいと思います。
経歴
ディバラ選手はインスティトゥート（アルゼンチン）でプロデビューし、国内の最年少ゴールと連続出場記録を更新する活躍を見せると、2012年にパレルモ（イタリア）に移籍することとなります。
当初はセリエAの環境に苦しむも2014-2015シーズンに前半戦だけで二桁ゴールを記録し一気に注目を浴びると、翌シーズンに名門ユベントスに3200万€の移籍金で加入します。
すると加入初年度にリーグ戦19ゴールを挙げ中心選手として活躍すると、2016-2017シーズンにはチャンピオンズリーグでのバルセロナ戦1stで2ゴールを挙げる衝撃的な活躍を披露。2017-2018シーズンにはプラティニやバッジョ、デル・ピエロ等が背負っていた背番号10を背負いキャリア最多となるリーグ戦22ゴールを挙げると、チームのシンボルとして輝きを放ちます。
しかし翌シーズンはロナウドの加入と彼とのプレー相性もあり僅か5ゴールに終わると、2019-2020シーズンには調子を取り戻しリーグの年間最優秀選手に選ばれるも翌シーズンは怪我や深刻な不振もあり、落差のあるシーズンを繰り返します。
そして2021-2022シーズンでは10ゴールを挙げるもののチームは低迷。契約延長は叶わずシーズン終了後に退団が決定。モウリーニョ監督が指揮するローマにフリーで加入することになりました。
代表では2015年に初招集されているものの、プレーエリアが被るメッシの存在もあり、その後は目立った活躍を見せられずにいます。
①La Joya（宝石）
ディバラ選手の特長は圧倒的な左足の精度とドリブル技術です。
左足から繰り出されるキックは威力、精度とも抜群で、さらにバリエーションも豊富な為非常に読みづらく、相手にすると厄介な選手です。またフリーキック、コーナーキックでのキック精度も一級品でセットプレーでは大きな得点源になってくれます。
またドリブル精度も非常に高く、身体でボールを上手くブロックしながら行う運ぶドリブル、そして前を向き細かいタッチで相手守備陣を切り裂くドリブルはどちらも精度が高く、攻撃の起点、そして崩しの切り札として頼りになる選手です。
そのプレーは実に優雅で、さらに甘いマスクも相まって彼のプレーは「La Joya（宝石）」と評されています。
②継続性とエリア内でのオフザボール
反面継続性とエリア内でのオフザボールに課題があります。
好不調の波が激しく、圧倒的なパフォーマンスを見せた試合が見せたと思えば90分間消えたままの試合が特に近年目立ちます。また守備面もかなりムラがあり、連動したプレスを行わせるにはリスキーな選手です。
また足元にボールを欲しがる傾向にあり、エリア内でのオフザボールの少なさは課題となっており、得点バリエーションもカットインからのシュートや中央からの打開からの得点と限定的です。
本質的には味方を生かす司令塔的な役割を任せるより、崩しの切り札的な起用が適切な選手であると言えます。
③守備面のムラを無くすことが前提
新天地のローマは守備戦術にディテールを詰めるモウリーニョ監督が指揮を執っており、ディバラ選手はまずは守備面のムラを無くすことが前提となっています。特に彼が担うであろう右ウイングはモウリーニョ監督の戦術上守勢に回るとサイドバックに付かなくてはならない為、余計に献身性が求められます。
幸いプレシーズンでは早速アシストを記録。さらにペッレグリーニ、ザニオーロ、エイブラハム、そしてディバラ選手を加えた4人を早くもイタリアメディアは「ファブ4（ファビュラス4）＝素晴らしき4人組」と評しており、新天地でのスタートは順調であると思われます。
永遠の都ローマに降り立ったアルゼンチンが生んだ宝石、ディバラ選手。モウリーニョ監督の元再び輝きを放ち、マスクパフォーマンスを連発出来るか注目です。
では
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