今回は主要欧州リーグの2020~2021シーズン「苦しむ名門」について書いていきたいと思います。
8回目はパリSGです。
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①心身のダメージ
昨シーズンチャンピオンズリーグ決勝に進出、惜しくも準優勝となり今シーズンこそと始動したシーズンですが、リーグ戦では首位ながら早くも3敗を喫し昨シーズンの負け数と並ぶと、チャンピオンズリーグではライプツィヒ、マンチャスターユナイテッドが同居する激戦区に組み込まれる不運もありましたがその2チームに敗戦、グループリーグ敗退が忍び寄っています。いずれのコンペティションもライバルはいるもののタレント、戦術的にも負ける要素は少なく、単純に「取りこぼした」印象は強いです。
その要因は所謂「心身のダメージ」に悩まされている感はあります。リーグは中止になったもののチャンピオンズリーグでの疲労、そして決勝戦での敗退のダメージは思いのほか大きく、集中力を切らすシーンが散見されます。特にメンタル面はリーダー、チアゴ・シウバの影響が大きく、精神的支柱の彼の退団も立ち直り切れてない要因の一つだと思います。
現状はようやく昨シーズン手に入れた「団結力」がリセットされた形になっています。
②疑問符の付く起用
またトゥヘル監督の采配も迷いが見えます。特に目立ったのはダニーロのセンターバック起用です。ライプツィヒ戦でDF陣の軸となれるマルキーニョスが健在にも関わらず、監督は本職がボランチのダニーロをセンターバックで使い続けました。その結果ダニーロは強度、ポジショニング共に不安を残し敗北。中盤でのマルキーニョスでの働きが素晴らしかったので余計に疑問符の付く起用だといえます。
普段あまりこういう配置でミスをしない、したとしても即座に修正するトゥヘル監督らしくない采配でした。
また大量の離脱者、怪我人に悩まさせ、上手くターンオーバーを機能させられなかったのも大きかったです。
③下手をすると国内も、、、
昨シーズンのトッテナムを見ても分かるように、パリも当初の予想よりも素晴らしい結果を残し、浮足立っている感はあります。主力を脅かすような補強も無く、現状とにかくコンディションを元に戻すことに専念するしかないでしょう。
そうなれば苦しんでいるチャンピオンズリーグに注力する他なく、国内リーグが疎かになる可能性があり、リールやモナコ、マルセイユなどのチームの頑張りによっては首位陥落もあり得ます。
現状戦力、選手層共にフランスリーグでは頭一つ抜けていますが、バイエルンのような絶対的な安定感は無く、一つ間違えば2011-2012のモンペリエ、2016-2017のモナコのようなサプライズもあるかもしれません。
とにかく「心身共のコンディションを整える」。トゥヘル監督の苦難はまだまだ続きそうです。
では