今回は主要欧州リーグの2020~2021シーズン「苦しむ名門」について書いていきたいと思います。
本来の力を考えればもっと上位にいてもおかしくない戦力を持ちながら苦しむチームをピックアップしていきたいと思います。
初回は「マンチェスターユナイテッド」です。
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①守備陣のパフォーマンス低下
スールシャール監督3年目、勝負のシーズンとなりましたがスタートダッシュに失敗。懐疑論をさらに強める結果となりました。まず指摘されたのは「守備のパフォーマンス低下」です。昨シーズンのチームの強みの一つであったDF陣が、軒並み調子を崩しました。特にマグワイアはオフシーズン暴行容疑で逮捕、更に警察への賄賂を疑われるなど非常に慌ただしい期間を過ごしたためメンタル面に大きく響き、普段やらないミスなどを連発。守備のキーマンの乱調は他の選手のパフォーマンスに乱れを生じ、他選手も軒並みパフォーマンスを落とす結果となりました。
ただ最近の試合では力強さを戻しておりパフォーマンスも安定しています。また相方のリンデロフも的確なカバーでチームを支えています。彼らの復調はこれからの好材料になってくると思います。
②脱ブルーノの失敗
また攻撃面でも問題を抱えています。現在のユナイテッドは慢性的に「ボールを持たされた時に弱い」です。昨シーズンはブルーノ・フェルナンデスのマンパワーで打開してきた感があり今もそれは続いてきます。その為対策を立てられたり、彼自身が離脱や調子を落として際に手詰まりになります。
その打開で獲得されたのはファン・デ・ベークです。ケースによってブルーノ、ポグバの代役を務めることが出来る選手の獲得は「脱ブルーノ」の期待が高まりました。
しかしそううまく事が運ぶほど甘い世界ではありません。絶対的な司令塔として迎えられたブルーノに比べてファン・デ・ベークはあくまで3人目の男として獲得。様々な役割を試されましたが、当人が困惑し本来のプレーを見失っているように見えます。
ただ何より1個人に攻撃の指揮を任している(ようにしか感じない)監督の攻撃戦術の無さは就任当初から変わっていないのが大問題ですが、、、。
③指揮官の問われる「指導力」
個人能力だけではワールドクラスであるマルシャル、ラッシュフォード、ムラが激しいポグバ、ブルーノに次いでゲームを作る仕事が出来ながら役割がはっきりしないまま今に至るマタなど、ユナイテッドには素晴らしい選手がいながらそれをほとんど活かせていない印象が強いです。
特にラッシュフォードは底知れぬポテンシャルを持っている選手で、彼を上手く活かせる監督ならばリーグ得点王になってもおかしくない能力を持っています。そのため本当に勿体なく感じてしまいます。グリーンウッドは大丈夫でしょうか。
スールシャール監督は確かに勝負強さが目立っています。首が危うくなってからの力は計り知れないものがあります。先日のパリSG戦などはその典型的な試合でしょう。
しかし自身の「指導力」の向上をアピールしなければチームに未来はないです。このままではCL出場権が精一杯でしょう。
かつての「常勝軍団」に戻る為には余りにも遠い位置にいるユナイテッド。「攻撃の型を作る」課題をスールシャール監督は解決することは出来るのでしょうか。
では