今回はトッテナム所属のソン・フンミン選手について書いていきたいと思います。
経歴
ソン・フンミン選手は2010-2011シーズン、ドイツのハンブルガーSVでトップチームデビュー。初出場、初スタメン、初得点を挙げ注目されます。
ハンブルガーでは3年間プレーし、2012-2013シーズンチームを7位に導く活躍をし、翌年シュールレの代役を探していたレバークーゼンに移籍します。レバークーゼンでは中心選手として2シーズンプレー。いずれも2ケタ得点を挙げる等、ヨーロッパビッグクラブに注目される選手となります。
そして2015-2016シーズン、様々な紆余曲折を経ながらもイングランドのトッテナムに3000万€で移籍(アジア人最高額)、加入当初はベンチや途中出場が多かったものの次第にポチェッティーノ監督(当時)の信頼を獲得。レギュラーに定着してチャンピオンズリーグ準優勝に貢献。今もハリー・ケインと共にトッテナムの主軸を担っています。
韓国代表でも絶対的なエースとして2014年、2018年のW杯に出場しています。
①トップスピードでの技術とオフザボールの質
ソン・フンミン選手の特長は「トップスピードでの技術とオフザボールの質」です。プレミアでもトップクラスのスプリント能力を持ち合わせ、そのスピードを最大限生かし敵陣を切り裂きます。特にトップスピードでの技術は素晴らしく、トラップ、ボールコントロール共に精度が高く相手にとってはたまったものではありません。またシュート技術も高く、タイミングを上手く外すシュート、ループなど種類も多彩です。
そしてオフザボールの質が非常に高いです。特にDFの死角から一気にトップスピードに走り込む飛び出しは威力抜群です。走り出しのタイミングも素晴らしくカウンターの先鋒としてはこれ以上ない選手でしょう。
昨シーズンから指揮を執っているモウリーニョ監督の戦術と見事にマッチしており、彼が「ソナウド・ナザリオ」(元ブラジル代表ロナウドをもじって)と呼ぶのも頷けます。2019年最優秀ゴールに選ばれたプレーは圧巻そのものです。
②熱くなりやすさと「生かす」プレー
しかし課題も勿論あります。まずは熱くなり易い気性で、度々裏目に出るシーンがあることです。オールオアナッシングでもありましたが、本当に勝利に貧欲で勝ち気な選手です。
ただ昨シーズンは2度の退場、1年で3度の退場処分を喰らう等、カッとなる性格が災いとなってチームに不利益をもたらすことがあります。不要なカードを減らすことが当面の課題となってくるでしょう。
また味方を「生かす」プレーはまだ確立されてはいません。どちらかと言うとフィニッシュワークに特化した選手なので、味方への的確なサポートやスペースメイクはどうしても減ってしまいます。アシスト数の多さから出来ないことはないと思いますが、もう少し年月が必要になってきそうです。
③補完性抜群のコンビで頂点を
今シーズンはケインとのコンビでゴールを量産、得点ランキング上位にランクインしています。上述した監督の戦術にフィットしたことと、ケインがチャンスメーカー的に振舞えたことが大きいと思います。
またレギロンの加入でより中でプレー出来ることが多くなり、サポートも受けるのも増えよりゴールに近づけたのも大きいと思います。
この補完性抜群のコンビがトッテナムをより高みに導くものになってくるでしょう。
ここまでのキャリアを築きながらチームタイトルに恵まれないソン・フンミン選手。トッテナムが悲願のリーグタイトルを獲った時、彼が中心にいることは間違いないでしょう。
では