今回は主要欧州リーグの2020~2021シーズン「苦しむ名門」について書いていきたいと思います。
10回目はレアルマドリードです。
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①主力離脱の埋め合わせ
レアルマドリードは現在怪我人が続出しています。その中でもカルバハル、セルヒオ・ラモス、ベンゼマの3選手は離脱のダメージが大きいです。
カルバハルにはナチョ、ルーカス・バスケス、セルヒオ・ラモスにはミリトン、ベンゼマにはマリアーノと一応のバックアッパーはいますが質はどうしても低くなってしまいます。またこの3人は精神的支柱としての存在感も大きく、攻守の最後の強度を決める大きなファクターとなっているので機能性が低くなるのは必然的だと言えます。。
さらにレアルマドリードは「個」に依存する戦術を取っているためリヴァプールや、シティ、パリのようにダメージを最小限にする手段がないとも言えます。
モドリッチ、クロース、カゼミーロさえも埋めきれない程戦術、戦力的に穴がある。マドリー苦戦の一番の要因です。
②選手の組み合わせ
また布陣の組み合わせにも問題があります。先日のシャフタール戦ではサイドに張るタイプであるロドリゴ、ルーカスを同時起用し右サイドが詰まり、内側のスペースがぽっかり空いて攻撃がまるで機能しませんでした。
個々の選手が得意なエリアでプレー出来ていない印象が強く、特にカルバハル離脱時の起用法が拙い場合が多いです。
バルベルデ、カルバハルの離脱という想定外もありましたが、明らかに機能しない選手起用しか出来ていないのが結果に響いています。指揮官が重用するルーカスを右サイドバックで起用するのであれば、噛み合っていないアセンシオ、ロドリゴではなくウーデゴールの起用を進めていくか、思い切ってサイドバックにミリトンを起用して左肩上がりにするのもアリかも知れません。
③「個」を高める他ない
しかし上記の解決策もあくまで5レーンの整備という意味合いでの提案であり、根本的な解決法にはなっていません。レアルマドリードは「個」をベースとした選手達が状況に合わせて戦術を変えていく「即効性」が売りのチームです。その「個」のクオリティが下がってしまうとジダン監督には戦術面では成す術がないと言えるでしょう。
今まさにチャンピオンズリーグ敗退が目の前にある状況で監督が出来るのは選手のモチベーションを極限まで上げることであり、選手達が「個」を高める他ありません。
幸い可能性も持つ選手が多い上、昨シーズンはバルベルデが台頭する等、実績もあります。今シーズンはマリアーノ、ロドリゴ、ヴァランの独り立ちに期待がかかるでしょう。
個人>戦術で勝つことを伝統としているサッカー界のエリート集団はこの困難をいかにして乗り越えるのでしょうか。新たなスターの誕生にも期待していきたいです。
では