今回は主要欧州リーグの2020~2021シーズン「苦しむ名門」について書いていきたいと思います。
本来の力を考えればもっと上位にいてもおかしくない戦力を持ちながら苦しむチームをピックアップしていきたいと思います。
6回目は「ラツィオ」です。
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①離脱者続出と過密日程
昨シーズン4位でチャンピオンズリーグ出場権を得たラツィオですが、序盤から守備の不安定さに悩まされます。アタランタ戦では4失点、サンプドリア戦では3失点と大量失点、その後もトリノ戦でも3失点と、7節までのクリーンシートは開幕戦のカリアリ戦のみと厳しい状況になっています。
その要因は離脱者続出と過密日程です。ラドゥ、マルシッチ、バストスが怪我で交代したインテル戦(その後ラドゥは1か月ほど離脱、バストスはその後移籍)を始め、インモービレ、ルーカス、ストラコシャが新型コロナ陽性の為離脱。
そこにチャンピオンズリーグの日程が重なり、ただでさえ薄い選手層に過密日程というダメージが重なり、一部選手に疲れが目立ち守備の強度低下に繋がっています。
特にインモービレの離脱はカイセドの勝負強さはあるもののかなり大きく、バックアップのムリキもチームに馴染みきっておらず勝ちきれない要因になっています。
②組織のマンネリ化
またインザーギ監督が6年目を迎えることで「組織のマンネリ化」も心配される所です。現状のメンバーもラドゥ、ルーカス、ルイス・アルベルト、ミリンコビッチ=サビッチ、インモービレと5年以上在籍している選手が多く、その大半をインザーギ監督は主力として固定しています。その為長年一緒に行ってきた連携は、非常にスムーズで戦術遂行能力も高いですが、どうしてもマンネリ化が起こってしまう可能性があります。ここ3年間で補強してレギュラーに定着しているのはアチェルビ、ホアキン・コレアぐらいとやや組織の新陳代謝も上手くいっているとは言えません。
しかしチャンピオンズリーグ出場が大きなモチベーションになっているのは間違いありません。監督、選手共に初めての出場になることが多く、ヨーロッパ最高のコンペティションで試合出来ることはやりがいがあると思います。
③更に強力な組織に
ラツィオが上位に留まる為には2つの条件が必要だと考えています。1つはスクデット獲得権にどこまで踏む留まれるかということです。今季はユベントスの監督交代で「本命不在」のシーズンとなっています。他ナポリ、インテル、アタランタなどもイマイチ波に乗れない状況で、調子がいいACミランもこの状況がずっと続くとは思いにくいです。
そういう意味では大きなチャンスであり、昨シーズン同様終盤までスクデット争いに加われれば可能性は十分です。
もう一つはどこまでチャンピオンズリーグで上位進出が出来るかです。もしグループリーグ敗退となれば12月上旬で終戦となってしまう為、モチベーション低下と疲労で一気に落ちる可能性が高まります。因みに決勝トーナメントに進出すれば3月まで持ちます。この3カ月は非常に大きいので、重要な要因になってきそうです。
幸い現状ではトリノ戦の大逆転劇やゼニト、ユベントス戦の終了間際の同点弾など勝負強さが際立っており(特にカイセド)何とか踏みとどまれている状況です。このまま離脱者が戻れば更に強力な組織となっている可能性も十分にあります。
選手のターンオーバーやモチベーション管理などチーム全体のマネジメント能力が問われるシーズンとなりそうです。
では