今回は強豪国のカタールW杯国別総括を書いていきます。
最終回は「アルゼンチン代表」です。
結果
4勝2分1敗 15得点8失点 優勝
主な布陣
①メッシを支える組織に
コパ・アメリカの優勝、そしてフィナリッシマ2022で欧州王者のイタリアを3-0で撃破。カタールW杯のアルゼンチン代表が優勝候補に推されるのには十分な結果と内容でした。
2018年W杯に象徴されるように近年のアルゼンチン代表は傑出した「個」メッシに頼りっきりのサッカーをしており、メッシの調子が悪い場合やメッシが抑えられた時に攻撃力が激減する等かなり不安定なグループでした。
しかしコパ・アメリカではメッシの長きに渡ってパートナーとなっているディ・マリアに加えデ・パウル、パレデス、ロ・チェルソが攻守に渡り機能性を示していました。さらにプレスバックが非常に速い為やや不安だった守備陣も安定感が増し、メッシに頼る組織からメッシを支える組織になり見事にコパ・アメリカを制覇。
そして近年中々行えていない欧州との試合も、イタリア相手に圧勝。また懸念点だった守備陣もロメロの復帰、そしてリサンドロ・マルティネス、モリーナの台頭もありむしろ強みに。ロ・チェルソの怪我での離脱、ディ・マリアのコンディションは気がかりではあったもののスカローニ監督が作り上げた団結力もあり、躍進が期待されました。
②大黒柱を支えるサポート力
そんな中迎えた初戦。アルゼンチンはサウジアラビアに1-2でジャイアントキリングを許し、最悪とも言えるスタートを切ります。
その敗北は続くメキシコ戦でも引きずっていたのか前半は攻撃陣が停滞しゴールが奪えずにいると、最悪の結果(グループリーグ敗退)が頭をよぎります。
しかしそれを払しょくしたのはやはりこの男でした。ペナルティエリアでボールを受けたメッシが左足を一閃。ほぼチャンスが無かった状況で得点を生み出す絶対的な「個」の力を見せつけチームに先制点をもたらすと、味方もそれに呼応したのか活力を取り戻し2-0で勝利します。
その勢いもあってか3戦目のポーランド戦ではメッシのPK失敗もあったものの、実質新戦力と言えるマック・アリスター、フリアン・アルバレスのゴールで見事に快勝。初戦の敗北から見事に立て直し決勝トーナメントに進出します。
決勝トーナメント1回戦のオーストラリア戦でも相手の守備陣に苦しめられるもマック・アリスターの打開から最後はメッシが決め先制。後半は5バックにしてさらに1点を追加し相手の粘りもあり1点を返されるもそのまま逃げ切り勝利。
続く準々決勝のオランダ戦でも5バックを使用し見事に機能。2点を先制するもオランダのクロス戦術に押し込まれ後半ロスタイムに同点に追い付かれてしまいます。
それでもPK戦を制し荒れた試合を勝利。準決勝に駒を進めることになります。
迎えた準決勝では序盤はややもたついたものの若きストライカー、フリアン・アルバレスの2ゴール、そしてメッシの圧巻とも言える活躍で3-0の快勝を収めます。
そして決勝のフランス戦。チームは前半で2点をリードし後半途中まで相手をシュート0に抑える完璧な試合運びを進めるも、立ちふさがったのはエンバぺ。PKを含む2ゴールで同点に追い付かれると、フランスの勢いに呑まれていきます。しかし途中交代したラウタロ・マルティネスが流れを引き寄せるとメッシのゴールで再び突き放します。
ただその後にハンドでPKを献上。エンバぺにハットトリックを決められPK戦に持ち込まれるも、エミリアーノ・マルティネスの活躍もあり見事に勝利。
大黒柱を支えるサポート力が際立ちメッシは2度目の大会MVPを獲得。5度目のW杯挑戦で悲願のタイトルを手にすることになりました。
③メッシ後のサッカーの構築
36年ぶりの優勝に導いたスカローニ監督の続投が決定。ディフェンディングチャンピオンとして次大会に臨むこととなります。
しかしその道のりは非常に険しいものになっていくことが予想され、ディ・マリア、メッシ無しサッカーの構築は早急にすべきであると思います。
特にメッシ自身はもう少し代表でプレーしたいという意志は見せているものの4年後にいるとは限らず、今後は彼をプレーさせながらも彼無き戦い方を模索する難しい時期が続き、スカローニ監督は頭を悩ませるでしょう。
現状ではディバラのようなメッシとよく似たスタイルを持つ選手を添えるよりは強烈なプレスバックと元々高い技術を生かしたアグレッシブなサッカーを磨く方がいいかと思いますが、マラドーナやメッシ等、歴史上どうしても1人の突出した「個」を求めがちな国なので、どのようなサッカーを選択するのか、スカローニ監督の決断に注目です。
では
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