今回はマンチェスターシティ所属のジョアン・カンセロ選手について書いていきたいと思います。
経歴
カンセロ選手はベンフィカの下部組織に入団。そして2014年にトップチームデビューを果たしますが僅か1試合の出場でバレンシア(スペイン)に移籍。移籍2年目となった2015-2016シーズンにはレギュラーに定着。ウイングでも機能するその攻撃力を武器に苦しむチームを支える活躍をします。
そしてその才能を買ったのはイタリアのインテル。ローンでの加入で当初はセリエAへの戸惑いや怪我もあり本領を発揮出来ませんでしたが、中盤からはスパレッティ監督の信頼を得てダンブロージオ、サントンからレギュラーを奪いセリエA屈指の攻撃的サイドバックの評価を得ます。
しかしインテルには買い取る資金が無く、翌シーズンにはライバルチームであるユベントスに4040万€で移籍。ユベントスでは当初は印象的な働きを見せましたが、徐々にミスや守備の脆さが露呈、レギュラーの座を失うことになります。
それでもその特異な攻撃性能を評価したマンチェスターシティが翌シーズン、ダニーロ+2800万€で獲得。当初はウォーカーの控え扱いでそのパフォーマンスの印象は薄かったものの2020-2021シーズンにグアルディオラ監督は彼の攻撃性能を引き出す「カンセロロール」を採用、一気にブレイクすると今シーズンも新機軸の「2-3-5システム」に適応し左サイドバックのレギュラー格としてプレー。今やチームに無くてはならない存在となっています。
ポルトガル代表には2016年に初招集されるも大舞台とは縁が無く、2022年カタールW杯の出場、そして活躍が期待されています。
①圧倒的な攻撃性能を持つサイドバック
カンセロ選手は「圧倒的な攻撃性能を持つサイドバック」と言えます。
サイドバックと言えば上下動の繰り返しとクロスが主な役割になりますが、カンセロ選手は卓越したテクニックでゲームを作りながらスピーディーなドリブルでボールを運ぶとそのままライン間に留まりラストパスやシュートで得点機に絡むことが出来ます。
特にボールテクニックが特筆もので、足裏、身体の向きを上手く利用して相手の逆を突き、一気にドリブルで抜き去ってしまいます。また狭い所のボール扱いもお手の物で、トップ下顔負けのラストパスやシュートを放つことが出来ます。
サイドバックでこのような動きが出来る選手は稀有で、グアルディオラ監督は彼用の布陣「カンセロロール」を使用する等、特異な存在となっています。
②集中力を欠いた守備
反面守備には課題があり、時折信じられないようなミスをすることもしばしばです。特にイタリアではその活躍の派手さでベストイレブンの常連となりながらも最後まで評価は分かれており、彼の卓越した攻撃力、そして余りにも脆い守備力が諸刃の刃となっていたことが伺えます。
そしてマンチェスターシティでも加入当初から暫く守備が安定せず、過去にはエデルソンを明らかに苛立たせる(思いっきり中途半端なバックパスを蹴り上げていました。)プレーもありました。チームに完全にフィットしてからは明らかにミスは減っていますがまだまだ責任感がないプレーも散見され、ここからは攻守共にいかにパフォーマンスを安定させるかが勝負になりそうです。
③傑出した存在へ
現状シティでは左サイドでプレーしていますが、チームの構成上代表では基本右でプレーしそうです。ただセドリック、セメド、ダロト等ライバルは多く、今後も壮絶なレギュラー争いが繰り広げられそうです。
プレミアリーグやチャンピオンズリーグでの活躍は十分なだけあって、W杯での活躍は彼をより傑出した存在に引き上げてくれそうです。
その圧倒的な攻撃力でシティの攻撃陣を支えているカンセロ選手。今後の活躍も期待しています。
では
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