今回はニューカッスル移籍が決定したサンドロ・トナーリ選手について書いていきたいと思います。
経歴
トナーリ選手はブレシアのユース出身で2017年にトップチームデビュー。クラブは下位に低迷するも自身は堂々たるプレーを見せ、セリエB最優秀若手選手賞を獲得します。
また翌シーズンも中心選手として活躍すると、2年連続でセリエB最優秀若手選手賞を受賞しチームもセリエBで優勝。セリエAに活躍の舞台を移す事となります。
するとトナーリ選手はセリエAでも確かな活躍を披露。チームは19位で降格するも自身は更に評価を上げてビッグクラブから興味を持たれる事になります。
そして2020年に買取オプション付きのレンタル移籍でACミランに移籍。初年度はべナセルやケシエにレギュラーを奪われ定位置は掴めなかったものの、完全移籍を勝ち取った翌年はべナセルの怪我やケシエがトップ下で起用される事が増えると中心選手としてプレー。チームのスクデット獲得に大きく貢献します。
またケシエが去った昨シーズンは更に凄みを増し攻守において欠かせない存在になりますが、オフにニューカッスルに移籍金7000万€で移籍。本人はミランのバンディエラになる事を願っていたもののクラブにとっては断り切れないオファーであり、愛するクラブを救うため本人にとっては苦渋の移籍となりました。
代表では2019年にA代表デビュー、ユーロ2020には選出されないながらもその後はヴェラッティ、バレッラと激しいポジション争いを展開しています。
①高いキック精度と守備能力
トナーリ選手の特長は高いキック精度と守備能力であると思います。
利き足は右足でありロングパスは主に右で蹴るものの、ショートパスは左右問わず精度が高く状況に合わせたパスを選択することが出来ます。
特にボールに回転をかけ味方に合わせる受け手に優しいパスは絶品で、かつての名手であるピルロを彷彿とされるのも分かります。
また守備能力も高く、高い位置でのプレスは勿論の事低い位置で待ち構える守備力も兼ね備え、ピンチの芽を摘み取るだけでなく、最後の防波堤の役割をこなすことが出来ます。その姿はかつてのレジェンド、ガットゥーゾを彷彿とさせており、ミランの黄金期を築いた二人のレジェンドの特長を掛け合わせたような選手となっています。
②まだ伸びしろがある司令塔としての能力
ただボールを引き出す際に下り過ぎる場面やポジショニングがあやふやになる等、司令塔としてはまだ伸びしろがあります。
ミランがそもそもそういうサッカーを行っておらず余り必要としていないのは大きいですが、今後アンカーでも起用される為には改善の余地があり、ジョルジーニョやギマランイス等をいいお手本として成長して欲しい所です。
③チームの質を劇的に高める存在に
新天地では主にインサイドハーフとしてやや低い位置でボールを捌きつつバイタルエリア手前でのミドルやラストパスを送る役割を与えられると思われます。
その役割はウィロックやジョエリントン、ロングスタッフ等やや硬質な選手が多いニューカッスルの中で異質なものであり、ギマランイスに頼りがちだったビルドアップ面のサポートでの働きを見込める為、チームの質を劇的に高める存在になりうるでしょう。
またチームに少ないチャンピオンリーグでの経験値が高い選手ですので（他はトリッピアーやボトマンぐらいです。）、欧州を戦う上でも頼りになる選手となるでしょう。
愛するクラブを涙ながらに去る事になったトナーリ選手。新天地での活躍を心から願っています。
では
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