今回はプロ野球でよく出ているワードについて書いていきます。
17回目は「沢村賞」です。
①先発完投型の投手に贈られる「特別賞」
沢村賞とは1947年に読売新聞社が、戦前のプロ野球黎明期において豪速球投手として名を馳せた沢村栄治さんの栄誉と功績を称えて制定した、その年に活躍した完投型先発投手に贈られる「特別賞」です。
1950年に2リーグに分裂した後は巨人がいるセリーグのみを対象としていましたが、1989年にパリーグも選考対象になる等拡大。
1981年までは選考が東京運動記者クラブ部長会に委嘱されていたものの、同年西本投手の受賞を巡る経緯で物議が起こったことから翌年からは選考を辞退。そこからNPBの元先発投手のOBを中心とした選考委員会が立ち上がり現在に至ります。
因みにその選考基準とは
・登板試合数 - 25試合以上
・完投試合数 - 10試合以上
・勝利数 - 15勝以上・勝率 - 6割以上
・投球回数 - 200イニング以上
・奪三振 - 150個以上
・防御率 - 2.50以下
となっており、2018年からは投手の分業化が進み「先発で登板した全試合に占める、投球回数7回で自責点3点以内」という独自の基準を選考に含めることになり、時代に合わせた選考基準も設けています。
最多受賞者は杉下茂投手(中日)、金田正一投手(国鉄)、村山実投手(阪神)、斎藤雅樹投手(巨人)、山本由伸投手(オリックス)の3回。チーム別では巨人の20回が最多となっています。
②その選考基準に疑問符が持たれる時期も
ただ選考基準を全て満たしていなければいけない訳では無くあくまで基準であり、特に分業化が進んでいた2000年以降は、完投数で基準を満たしたのは僅か6回。(そのこともあり前述した選考基準の追加が設けられることになりました。
また基準の4項目しか満たしていない状況かつ、物足りなさが目立つ項目もある状況で受賞する場面も見受けられるようになり、その選考基準に疑問符が持たれる時期もありました。
因みに最も重要視されているであろうのは勝利数で、規定をクリア出来なかったのは短縮シーズンになった2020年の大野投手のみ(11勝)。続いて登板数(2020年と2023年に未達成)、三振数(2016年、2020年に未達成)となっており、ローテーションを1年間しっかり守り「勝つ」投球が行える、奪三振能力が高い投手が取りやすい賞となっています。
ただ補足すると2020年の大野投手は登板数の半分の完投数10を記録しており、圧倒的であったことは間違いないです。
③最大のリスペクトを持って
そんな中今年の受賞者ですが5年ぶりに「該当者なし」に。最低限ともいえる4項目以上の基準を満たした投手は戸郷投手(巨人)のみ。その戸郷投手も最も重視されている勝利数は届かない状況に。例年を考えればこの判断は妥当とも言えます。
そして堀内委員長は「最優秀投手ではない、沢村さんの賞。格式、威厳、そういうものを持って選考したい」という言葉を残す事に。2投手が4項目を満たしていたものの完投数ゼロで選出者無しで終えた2019年と同様、沢村栄治さんに最大のリスペクトを持って委員会が苦汁の決断を下したことが判ります。
それでも前述した戸郷投手を筆頭に可能性のある投手は多くいる為、来年以降も選出に期待。先発投手の最高の栄誉とも言える「沢村賞」、その価値は今も高く保たれ多くの投手達の目標となっています。
では
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