今回はプロ野球でよく出ているワードについて書いていきます。
11回目は「助っ人外国人選手」です。
①当たり外れはあるものの、チームの成績が大きく変わる存在
かつてのプロ野球の助っ人外国人選手は当たり外れはあるものの、チームの成績が大きく変わる存在でした。
近年でも外国籍選手唯一の2000本安打を達成し、さらには監督としても活躍したラミレス選手や、シーズン最多本塁打記録を樹立したバレンティン選手。投手でもプロ野球記録となる54セーブを挙げソフトバンクの黄金時代を支えたサファテ投手等が、攻守において大きな違いを生み出していました。
阪神でも「史上最強の助っ人」として1985年の日本一に大きな貢献を果たしたバース選手や、通算10シーズンにわたって在籍し長年エースとして活躍したメッセンジャー投手等、素晴らしい助っ人選手が球団を彩っていました。
しかし近年その構造に大きな変化が生まれています。
②全体的に苦しむ傾向に
特に野手においてはチームにおける存在感が徐々に薄れており、現状スタメンでクリーンナップに組み込んでいるチームはヤクルト(オスナ選手)、西武(アギラ―選手)、日本ハム(マルティネス選手)、ロッテ(ポランコ選手)の4球団のみ。さらに4番に添えているのは西武、日本ハムのみで、他選手は下位打線が主戦場になっています。
また助っ人選手を「核」と考えているのは見ている限りでは西武のみで他球団のベースは国内選手。かつてクリーンナップに必ず1人ないし2人いた時代は遠いものとなっています。
その要因は良質な「掘り出し物」が少なくなった事と国内の投手のレベルアップ。
メジャー球団がマイナーリーグの体質改善を行いさらに隠れた逸材を拾い上げるシステムを整えたことで、「力は持っているものの出番に恵まれない選手」が減少。また多くの投手がメジャーに渡り活躍しているようにNPBの投手レベルが格段に上がっており、日本に来ても直ぐには活躍出来ない状態に。
今や「大砲」と評されている選手でさえも.250 20本前後打てると「大成功」の部類に入っており、昨年2017年以来の助っ人での本塁打王を取ったポランコ選手(ロッテ)も26本に留まる等圧倒的な結果が残せないでいます。
阪神でも昨シーズン9本のノイジー選手を減俸を受け入れさせた上とは言え残留。正直5年前では考えられない状況であり、助っ人外国人選手が全体的に苦しむ傾向にあります。
それでも前述したポランコ選手やオスナ、サンタナ選手(ヤクルト)、オースティン選手(DeNA)マルティネス選手(日本ハム)等は実績も持ち合わせているので、今シーズンの活躍が期待されます。
③国内で「育てる」印象が強い
また投手においても先発ローテーションに組み込まれたり、セットアッパー、クローザーに添えられる投手は多いものの、先発で規定投球回数に到達した投手はセリーグは2019年のジョンソン投手(広島)、パリーグは2018年のマルティネス投手(日本ハム)が最後。前述したメッセンジャー投手やマイコラス投手(巨人)のようにタイトル争いに食い込むような投球では無く、年100イニング以上で7~8勝挙げてくれれば十分とも評されています。
唯一中継ぎ、クローザーにおいてはライデル・マルティネス投手(中日)、オスナ投手(ソフトバンク)等力のある投手は多いものの、前述したサファテ投手やライデル投手、そして現パドレスのスアレス投手(元阪神、ソフトバンク)は日本国内で技術を磨き花開いた選手。投手においては近年「育てる」印象が強くなっています。
一気にチームの強みに変える「補強」よりも、足りない部分を補う「補充」になっている外国人選手の獲得。国外に頼ることの出来ない今、球団は本格的に自前の「育成力」に頼るフェーズに差し掛かっているのかも知れませんね。
では
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ZAK プロ野球助っ人外国人 フィギュア 4点セット ウエルズ他
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