今回はアジアカップの日本代表の総評を書いていきます。
①日本サッカー全体の敗北
今大会における日本代表はそのタレント力や戦前の結果から「優勝候補最右翼」として臨む事となり、対戦するチームは日本代表をかなり意識して臨む事となりました。
そんな中日本は崩しの切り札である三笘が負傷で大会に出場出来るか微妙な状況となり不安はあったものの、それでもタレントの質は歴代最高とも言えるもので、圧倒的な力を示しての優勝が期待されました。
しかしいざ大会が始まってみると研究されつくした日本はその弱点を露呈。
・3バックで回されるとプレスがかからない
・ハイプレスをかけてビルドアップを阻害、奪ったボールをサイドの裏に素早く送り込む
ことで日本代表を機能不全にして自分達の強みを生かす。その戦い方が見事に嵌りグループリーグではイラク、決勝トーナメントではイランに敗北。「日本史上最強のタレント集団」はベスト8で姿を消すこととなりました。
そんな中指揮官はそれに対して有効な手立てを打てず選手の「個」に依存し、明確な修正を行えずに敗戦を見守ることに。さらにJFAも伊東を大会から離脱することを食い止められずスキャンダルに屈することに。この大会は代表チームだけではなく「日本サッカー全体の敗北」とも言える程重い物となっています。
②ボトムアップ型のマネジメントの「限界」を露呈
そんな中イラン戦後にはこの試合で先制点を挙げた守田は、取材で試合で判断すべきことが多すぎて混乱していた事、そして外からの声が無かった事、チーム哲学が不足していた事を吐露。この監督批判にも受け取られるこの発言は話題になりましたが、現状のチーム状況、試合内容から見える問題点を的確に指摘していて、カタールW杯前でも何人かの選手も訴えていたように首脳陣のアップデートは行われていない状態。
そしてこれまで三笘、冨安、遠藤、守田、久保等、判断、技術共に傑出した「個」に依存した森保監督が行うボトムアップ型のマネジメントの「限界」を露呈することになりました。
マネジメント面では素晴らしい指揮官も（伊東に対するインタビューは一人間として完璧だと思います。）、チームを「勝たせる（可能性を上げる）」為の能力に欠ける事を改めて見せてしまう事に。
正直個人的にこの方法でもある程度通用するとは思いましたが、他国の代表チームのレベルが予想外に高く日本の弱点を全て浮き彫りにされ、結果完膚なきまで叩きのめされる事となりました。
③再び指揮官の進退問題が起こるも
そんな中再び指揮官の進退問題が起こっていますが、田嶋会長の言う通り指揮官の交代は無く、正直現時点では代えない方がいいと思います。
理由は保身的で言うことを聞かない（我が強い）監督を呼ぶのを敬遠する現協会に森保監督以上の監督を呼ぶことは出来ないからで、代えてしまったら更に悪化する可能性は高いでしょう。（過去解任論が沸き上がった時に「現実的に」呼べる監督の名前も残念なものでした。）
そんな中田嶋会長が3月に任期満了で退任し、後任に元日本代表の宮本恒靖氏が就任。
正直監督時代の評判はあまり良いものでは無いものの（熱量を前面に押し出したサッカーで戦術的な部分は殆ど見受けられませんでした。）、舞台はピッチでは無くフロント。
過度な期待は禁物（田嶋会長の傀儡政権とも言われています。）ですが、2021年まで現場を立っており、尚且つ2度のW杯出場や欧州移籍等「世界」を知る人物。現状の代表の状態は確実に伝わると思いますので適切な改革を進めて欲しいです。（個人的には岡田さんに期待していましたが、、、。）
世界にも誇れるタレントを擁しながらそれを指揮する監督が余りにも力不足。森保監督がこれまで5年見られなかったアップデートに向かおうとしてくれるのか、それとも違う人に委ねるのか、どちらにしても日本サッカーには変化が求められています。
では
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