※ネタバレ有り
今回は「機動戦士ガンダム 水星の魔女」のキャラ「父親たち」について書いていきたいと思います。
①彼なりの愛情
まずは「デリング・レンブラン」です。
ベネリットグループ総裁兼監査組織カテドラルの統括代表、そしてミオリネの父親です。
軍人として数多の戦場を経験した事で「兵器とは純粋に人を殺すための道具でなければならない。自らが引き金を引き、罪を背負う事が戦争における最低限の作法」と主張。敵を殺すだけでなく乗り手の命も奪うガンダムの存在を「呪い」と呼び、フォールクヴァングを襲撃させています。
「あれはガンダムだ。私がそう判断した。」
その経営手段は独裁者そのもので、明らかに結果を出せていない会社は容赦なく切り捨てる成果主義者。またミオリネに対しても冷淡な態度で接し勝手に彼女の生き方を独断で決定しており、その事もあり関係性は破綻しています。(ダブスタクソ親父)
「お前の提案には価値が無い。皆そう言っているのだ。どんな大言壮語を吐こうとも、それを裏付ける信用がお前には、無い。」
しかし話が進むにつれ、
・経営者として対等に接する
・身を挺して彼女を護る
等彼なりの愛情を持って娘と接していたことが判明。長らく昏睡状態に陥っていたものの目を覚ました際にはミオリネの覚悟と生きることを諦めるなという檄を聞かされ、クワイエット・ゼロに立ち向かう彼女を見送っています。
その後ミオリネによるグループ解散やクワイエット・ゼロの顛末を見届け、エピローグでは旧ベネリットグループ経営陣に対する公聴会に出席して、自身の罪と向き合っています。
②相応の思いやり
次は「サリウス・ゼネリ」です。
ベネリットグループ御三家の1つ、グラスレー社こと「グラスレー・ディフェンス・システムズ」のCEOで、シャディクの養父。
長年会社のCEOの座を守り抜く賢い経営者ではあるものの、肉体は寄る年波や傷病には抗えないのか、鼻先には酸素注入器とみられる機材に繋がったチューブが設置され、車いすや杖での移動を余儀なくされています。
シャディクの発言によるとデリングや他の御三家当主と同様情味に乏しい合理主義者ではあるものの、ガンダムへの対応等でデリングに対し不信感を持ち、かつての部下に対しての反骨心を見せています。
「デリングは なぜ あのモビルスーツを特別扱いする?」
その為シャディクが暗躍している事に薄々感づきながらも高く評価していたものの、最終的には彼に立場を逆転される事に。自身は拉致をされ軟禁されるものの、シャディクがリスクのある行動をする際に忠告する等、相応の思いやりを見せています。
「失敗すればグラスレーでの立場を失うぞ」
戦後はデリングと共に旧ベネリットグループ経営陣に対する公聴会に出席しています。
③息子に大きすぎる十字架を背負わせてしまう
最後は「ヴィム・ジェターク」です。
ベネリットグループ御三家の1つ、ジェターク社こと「ジェターク・ヘビー・マシーナリー」のCEOで、グエルとラウダの父親です。
同族経営のジェターク社を剛腕でまとめ上げてきた豪傑であり野心的な経営者で、その手腕は長けているもののワンマン気質が強く、息子たちからは複雑な抱かれています。
「お前だけの 決闘じゃないということがなぜ分からん? 子どもは 親の言うことを聞いていればいいんだ!」
作中ではグエルをベネリットグループ総裁に添えるべく、
・デリングの暗殺を画策
・独断でダリルバルデに意思拡張AIを搭載し、ジェターク寮生による裏工作を指示
する等暗躍するもののいずれも失敗。さらにグエルがエラン(強化人士4号)に敗北した後は彼への支援を全て打ち切り、ジェターク寮からも追い出す等の仕打ちを行います。
しかし追放しつつも卒業までの学費は払い、ジェターク社の関連企業への就職口を用意する等、スパルタながら自身の後継者として育てようとする意識はあり見捨ててはいないものの、グエルは出奔し行方不明に。さらにシャディクのプラント・クエタ襲撃計画に乗るものの裏切られ、部下の制止を振り切ってディランザ・ソルに搭乗。
その後息子の乗るデスルターと交戦。お互いの正体を知らないまま戦ってしまい僅かな隙を突かれ敗北。最期は息子の存命に安堵するものの機体は爆散。息子に大きすぎる十字架を背負わせてしまう事となりました。
「グエル…か?……無事…だったか……捜したんだぞ……」
シリーズを通して子供を顧みない(下手すれば道具として考える)「毒親」が多いガンダム。しかし今作はいずれの人物からも確かな信頼や愛情を感じさせられ、時代の変化を感じました。
では
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