今回は主要欧州リーグの2020~2021シーズン、上位定着を狙う新勢力のチームについて書いていきたいと思います。
初回は「ボルシアMG」です。
①優れたスカウティング部門
ボルシアMG(メルヘングラッドバッハ)は70年代に5回リーグ優勝するなど、新興勢力とは言い切れない古豪クラブですが近年の躍進が注目されるクラブです。
2000年代はブンデスリーガ2部or残留を目的としていたクラブでしたが、2012年にルシアン・ファブレ監督の元、ロイス、アランゴ、テア・シュテーゲン、ダンテ等がブレイクし4位に躍進、上位常連クラブとなりました。
その原動力は優れたスカウティング能力にあると思います。前述した4選手を含めて、ジャカ(現アーセナル)、トルガン・アザール(現ドルトムント)、クリステンセン(現チェルシー)、などビッグクラブで活躍する選手もいれば、ラファエウなどブンデスリーガで強烈なインパクトを放った選手もいます。
現在もプレア、テュラム、ザカリア、ギンターなど注目株からシュティンドル、ヘアマン、ゾマーなど確かな実力者が見事に融合した好チームとなっています。
国内だけではなくスイス、ベルギー、フランスなどの方面から無名の実力者や野心溢れる若手を獲得し、積極的に起用するクラブの強化方針が見事に機能していると言えるでしょう。
②過去の躓きを糧に
今の主力メンバーは2017-2018シーズンからサイクルが始まっていると個人的には思います。ギンター、ザカリア等、現在の主軸が加入してきたものの怪我人や戦術の浸透が遅れ立ち遅れ、ここまで順当に歩みを進めていたチームが躓き、2年連続で欧州カップ戦を逃しました。
しかし翌シーズン、当時の監督であるヘッキング監督が守備を整備、5位に返り咲きました。この躓きから得た経験で、より地に足がついた強固な組織を作れていたと思います。ヘッキング監督は結果的にそのシーズン限りの退任となりましたが、難しい時期に監督を務めチームを立て直した手腕は評価されるべきです。
代わりに来たのは現監督であるローゼ監督、所謂「レッドブル系」の監督で、ザルツブルグから移籍した監督です。チームをよりアグレッシブに動かし、縦に速いカウンター、安定感のある守備組織を作り、チャンピオンズリーグ出場権内の4位に押し上げました。
③妥当バイエルンへ
今シーズンはブンデスリーガでは取りこぼしや守備の乱れもあり、上位は伺えるものの不安定な位置につけています。
勿論これはチャンピオンズリーグ出場による消耗も大きく、インテル、レアルマドリードが同居するグループに組み込まれながらも1勝2分で健闘しています。今後はローテーションも含めチームのマネジメント能力も問われる所でしょう。
今シーズンはチャンピオンズリーグ出場権はもちろんのこと、「目の上のたんこぶ」であるドルトムントを上回る順位を目指すことになるでしょう。そして現状は現実的ではないものの将来的には十分可能性を感じている「妥当バイエルン」。
絶対王者に挑戦状を叩きつけられるかどうか、今シーズンの戦いに注目していきたいです。
では