「日本の至宝」久保建英選手が新天地ビジャレアルで出場機会に恵まれず苦しんでいます。その状況は日本のマスコミはもちろんのこと、現地でもレンタル元のレアルマドリードから度々取り上げられています。
ただ一方的に「使え!」と批判しても建設的では無いのでビジャレアルの状況を踏まえた上で久保選手の現状、今後の起用について書いていきたいと思います。
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①契約条件による微妙な立場
久保選手はビジャレアルと「買取オプション無しの1年間のレンタル契約」を結んでいます。またレンタル先のレアルマドリードに逐一状況(主にコンディション面)を伝えることなどが条項に持ち込まれています。
この契約を見て気付くことですが必ずしも「使わないといけない」状況ではないと言えます。1年でほぼ必ずレンタル元に帰る選手よりも、完全移籍で獲得した選手を使いたいのは関係は良好とはいえビジャレアル側が考えるのは必然で、久保選手が加入した時点で今の立場にあるのはマジョルカでもあったことなので、一から積みあげることは十分理解していると思います。
そんな中レアルマドリード側がシーズン途中でのローン打ち切りをするのではないかと噂になっています。過去リーズで出場機会が少なくアーセナルに戻ったとされるヌケティア選手の例などもありますが、実際そんな条項は無いらしくこの報道は逆に久保選手を苦しめる結果となりました。
②ライバル選手の存在
加えてビジャレアルはスペインを代表する強豪クラブです。当然質の高い選手が揃っています。久保選手のポジションのライバルだけでも
・戦術理解能力に長けポジショニングと正確なキックが特徴のモイ・ゴメス
・強靭なフィジカルでボールを収め機動力も併せ持つ点取り屋、ジェラール・モレノ
・圧倒的なスピードを持ち単独突破に優れるチュクウェゼ
など多士済々です。さらに4-3-3の採用により当初3枠あった2列目も両ウイングのみとなっており、更に競争が激化しています。
③監督の求めていることと解決策
そしてエメリ監督の存在です。エメリ監督は久保選手を「流れを変えられる技術は持ち合わせているが、左サイドがこなせず守備の強度に不安がある」とみなしています。
正直左サイドは窮屈な印象はあるものの、守備はしっかり行っており強度も十分なので問題は無いかと思いますが、、、どうなんでしょうか。
先日のバレンシア戦ではアシスト(残念ながらカウントされず)はしたものの危険なプレーで警告2枚退場、二枚目は不運ですが一枚目は確かに危険でした。また代表戦からボールが足についていない場面が散見されます。明らかにコンディションを崩しており、現状は厳しいです。
そんな中解決策は無いかと言えばそんなことはありません。まずコンディションを整え自分のプレーを取り戻した上で、目に見える数字の結果を残すことです。現状ジェラール・モレノのみが得点を挙げており他二人は無得点です。そんな中で見えやすい数字を積み重ねると、勝利が欲しい監督としては使わざるを得ない状況になるでしょう。それほどサッカーにおいて数字は重みがあります。
マジョルカではプレーの質を見せ中心選手として活躍し、新天地では質に合わせて数字を求められる立場にある久保選手。
「『壁』は乗り越えられる人の目の前にしかやってこない」
この言葉を胸に今後も応援していきたいと思います。
では