今回はW杯における「ジャイアントキリング」について、
・両チームの背景
・戦術的な要因
・その後の両チーム
を中心に書いていきます。
6回目は「2014年ブラジルW杯 スペインvsチリ」です。
両チームのスタメン&結果
①まさかの初戦大敗
2010年にW杯を制したスペイン代表はユーロ2012を制覇、さらに欧州予選でもフランスを抑え危なげなく本選に進出。新戦力の積み上げの無さは気になるものの十分W杯連覇もあり得るチーム状況でした。
しかしグループリーグ初戦のオランダ戦で1-5でまさかの大敗を喫します。明らかにコンディション管理に失敗した王者は動きが重く、ファン・ペルシに「VanPersieing」を決められる等守備陣は失点を重ね、直前の怪我でほぼぶっつけ本番だった「新戦力」ジエゴ・コスタは後半途中でピッチを退くこととなりました。
対するチリ代表はサンパオリ監督の元「超攻撃サッカー」を展開。アレクシス・サンチェス(バルセロナ)、ビダル(ユベントス)、イスラ(ユベントス)、ブラーボ(ソシエダ)等要所にタレントを要し、ハイプレスとショートカウンターを駆使し、初戦ではボールを圧倒的に支配しオーストラリアを粉砕。両チーム対照的な状況で2戦目を迎えます。
②超攻撃的システム
そして行われた第2戦。チリは強度の高いプレスでスペインのビルドアップを困難に陥れます。するとチリはパスカットからのショートカウンターでバルガスが先制ゴール、いきなり王者を焦らせると、勢いそのままに更にギアを挙げてアグレッシブな守備を行い前半終了直前にアランギスが追加点を挙げ突き放します。
このままでは終われないスペインはコケを投入しチームにリズムを与えるも、チリの統率された守備を破ることは出来ません。むしろカウンターからピンチを度々招いてしまう悪循環に陥り、交代策を駆使しゴールに迫りますがブラーボの好守もありそのまま試合は終了。W杯王者がまさかの2連敗でグループリーグ敗退を喫することとなりました。
③ダークホース的存在に
スペイン代表はその後シャビ、シャビ・アロンソ、フェルナンド・トーレス等が代表を引退。一時代の終わりを告げ、その後ユーロ2020でベスト4に進むまで世代交代の波と新たなサッカートレンド(バルセロナ&レアルマドリード時代の終焉)の変化に巻き込まれることとなります。
対するチリ代表はグループリーグ2位で決勝トーナメントに進出。ベスト16では開催国ブラジルにPK戦の末敗北したものの、コパ・アメリカ2015では初優勝、そして翌年には連覇を果たすなど黄金期を迎え、前述したブラーボ、サンチェス、ビダルもビッグクラブの中心選手として躍進していくことになります。
コンディション調整の失敗と初戦の敗戦から立ち直れなかったスペイン代表、対するアグレッシブなサッカーを貫き見事な勝利を挙げたチリ代表。自身のスタイルを貫くタレントとメンタル面含む組織力がジャイアントキリングを生み出した試合と言えるでしょう。
では
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