今回はW杯における「ジャイアントキリング」について、
・両チームの背景
・戦術的な要因
・その後の両チーム
を中心に書いていきます。
4回目は「2010年南アフリカW杯 スペインvsスイス」です。
両チームのスタメン&結果
①文字通りの「無敵艦隊」
当時のスペイン代表は正に「黄金時代」の真っ只中でした。ユーロ2008ではグループ初戦からの6連勝で見事に優勝。さらにピケ、プジョール、シャビ、イニエスタ、ブスケッツ等グアルディオラ監督の元「3冠」を達成したバルセロナのメンバーが中心となり、W杯予選でも10戦全勝で突破と、最高の状態で本選を迎えました。
対するスイスは欧州予選ではギリシャと同居するグループに組み込まれるものの、特に難しいグループとは評されておらず、予選突破は果たしたものの下馬評は高くはありませんでした。名将オットマール・ヒッツフェルト監督が組織する守備陣は強固で(2006年では無失点で敗退という「珍記録」を残しています。)、ベナーリオ(ヴォルフスブルク)、リヒトシュタイナー(ラツィオ)、バルネッタ、デルディヨク(共にレバークーゼン)等タレントはいたものの当時文字通り「無敵艦隊」となっていたスペインを下すとは考えにくかったです。
②泥臭いゴール
試合が始まるとやはりスペインの圧倒的なボールポゼッションで幕を開きます。スイス守備陣はその揺さぶりに何とか耐え抜くも、守備の中心のセンデロスが負傷退場してしまい何度か守備を突破されピンチを招きますが、そこに立ちふさがったのは「守護神」ベナーリオ。圧倒的な反応を見せピンチを幾度となく防ぐと、スコアレスで前半を折り返します。
そして後半試合は動きます。ベナーリオのゴールキックのこぼれ球を最後はフェルナンデスが押し込む泥臭いゴールを決めると、その後もセンターバックのグリヒティング、フォン・ベルゲンやベナーリオの好守が光り堅守は揺るがず、フェルナンド・トーレス、ヘスス・ナバス、ペドロを投入したスペインの猛攻を防ぎ切り勝利。スイスが初戦でスペインを破る「ジャイアントキリング」が起こりました。
③初のW杯優勝
しかしその後スペインは驚異的なチームの立て直しを見せ、2戦目のホンジュラス、チリに勝利し、その勢いのまま決勝に進出。そして延長戦にもつれ込んだオランダ戦ではイニエスタの決勝ゴールで見事優勝。初のW杯優勝を果たしました。また2012年のユーロでも連覇を達成しスペインは黄金時代を続けていることから、このスイス戦の敗北はチームにとっての「戒め」として大きな影響を与えたと思われます。
対するスイスは続くチリ戦ではベーラミが退場し敗戦を喫すると、最終戦のホンジュラス戦ではスコアレスドローに終わり予選敗退。両チームは対照的な歩みを見せることとなりました。
しかし組織的な守備を構成し、明確な狙いを持ち(DF陣の裏)数少ないチャンスを生かしたスイス代表の奮闘は確かで、ヒッツフェルト監督の采配が光った試合でもありました。
では
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