今回はインテル所属のマッテオ・ダルミアン選手について書いていきたいと思います。
経歴
ダルミアン選手はACミランの下部組織に所属した後2006年にトップチームデビュー。しかしその後は選手層の厚さに阻まれ、その後パドヴァ、パレルモとレンタル移籍を繰り返します。
転機が訪れたのはトリノへ移籍した際で、初年度から右サイドバックやウイングバックのレギュラーとして活躍、2013-2014シーズンにはセリエAのベストイレブンに選出される等リーグ屈指のサイドバックへと成長。2015年にイングランドのマンチェスターユナイテッドに引き抜かれることとなります。
マンチェスターユナイテッドでもファン・ハール監督時では重用されるもモウリーニョ監督就任に伴って出場機会が減少し、2019年にパルマに移籍することとなります。
そして母国に帰ったダルミアン選手は見事な活躍を見せ、翌年にはインテルに移籍。サイドバックのターンオーバー要員や3バックの一角としてプレーしスクデット獲得に貢献。そして今シーズンはハキミの移籍により右サイドのレギュラーとしてプレーしています。
代表では2014年にデビュー後、2014年W杯、ユーロ2016のメンバーに選出。近年は代表に呼ばれてはいませんが、今のパフォーマンスを続ければマンチーニ監督も無視は出来ないでしょう。
①戦術理解力の高さとユーティリティー性
ダルミアン選手の特長は「戦術理解力の高さとユーティリティー性」です。戦術理解力が高く攻守において気の利いたサポートを行うことが出来ます。コンビネーションでの崩しの一角を担ったり守備でのカバーリングも的確でチーム戦術において重要な役割を果たすことが出来ます。個でも1対1での粘り強い守備や攻守の切り替えの速さ、精度の高い右足のキック、そして推進力のあるドリブルで自身の仕事を果たします。
またセンターバック、サイドバック、ウイングバックをこなすことが出来るユーティリティー性も持ち、チームに一人いたら非常に助かる選手です。
②際立った武器の無さ
反面「際立った」武器が無いのが弱みとも言えます。センターバックをこなせると言っても4バックの真ん中を長期間こなせる程の強度は無く、ウイングバックでの単独突破力には欠けます。
特に「個」を重視するマンチェスターユナイテッド時代では、その武器の無さが仇となりレギュラーポジションを最後まで奪うことが出来ませんでした。
ビッグクラブではチームに一人はいて欲しい選手ながら主力にはなり切れない。チームでの起用法が問われる選手です。
③バランサーとして不可欠な存在に
ただ今シーズンのダルミアン選手はチームのバランサーとして不可欠な存在となっています。その要素はダンフリースの適応がまだ手間取っているのと、3バックの一角が積極的に攻め上がる布陣を敷いている為です。
またチームのビルドアップがやや心もとない為カウンターを受けやすく、ダルミアン選手の攻守の切り替えの速さが生かされているのもあり、特に同等レベルのチーム相手では替えの効かない選手であると言えます。今後ダンフリースが適応した際も重要な試合での起用が予想されます。
様々なクラブを渡り歩き自身のプロでの「生き方」を示し続けるダルミアン選手。今後の活躍も期待しています。
では
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