モハメド・サラー～エジプトの王～【特集】

今回はリヴァプール所属のモハメド・サラー選手について書いていきたいと思います。

f:id:kichitan:20211023120514j:plain — Getty Images

経歴

サラー選手はエジプトのコントラクターズでキャリアをスタートさせ、2012年にスイスのバーゼルに移籍。チャンピオンズリーグでの活躍を認められて2014年にイングランドのチェルシーに移籍します。

しかし当時のモウリーニョ監督の元では出場機会は与えられず、2015年にイタリアのフィオレンティーナにレンタル移籍します。そこでサラー選手は躍動し救世主扱いされるようなプレーを披露。シーズンオフにはレンタル延長も当然のように申し込まれました。

ただサラー選手側は去就に意思表示をせず、法的措置もあり得る問題に発展。最終的にはローマへのレンタル移籍が決まりましたが、後々に遺恨の残る移籍劇となってしまいました。それでもサラー選手はピッチ上では躍動。2015-2016シーズンはクラブのシーズン最優秀選手に選ばれる等中心選手として活躍。2017年に4200万€でイングランドのリヴァプールに移籍します。

帰ってきたイングランドでサラー選手は成長した姿を見せます。クロップ監督の信頼を得た2017-2018シーズンにはシーズン32ゴール（38試合制では歴代最多記録）を記録する等大活躍。PFA年間最優秀選手賞を受賞しました。

その後もリヴァプール自慢の「フロントスリー」の一角としてチャンピオンズリーグとプレミアリーグ制覇に大きく貢献。今シーズンもゴールを量産しチームの得点源として君臨しています。

①相手の「逆」を突く動き

サラー選手の特長は「相手の「逆」を突く動き」であると言えます。主に右ウイングで起用され、センターバックとサイドバックの間、もしくはセンターバック同士の間を巧みに突き抜け出して一気にフィニッシュに持っていくのが得意な形です。その相手の背後を突く動きは世界でも屈指の精度を誇り、彼がゴールを量産できる大きな要因となっています。

またそのスペースを埋められた際の個人突破も凄まじく、重心が低くスピードがあり相手の逆を突くドリブルで守備陣をズタズタに切り裂いてしまいます。最近は更に凄みを増しており、シティ戦のゴールは早くも今シーズンのベストゴールと評されています。

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オンザボールでもオフザボールでも相手の逆を突ける稀有な選手であると言えます。

②時折見せる強引さ

そしてミスを恐れずアグレッシブにどんどん仕掛けるチャレンジ精神も豊富です。時折見せる強引な突破は「エゴイスト」と評されがちですが、味方を無視してむやみやたらとシュートに持ち込んでいるという場面は少ないです。実際引き付けてからのラストパスも多くアシストも出来ており、あくまで彼にとって個人突破は選択肢としては最終手段であると思われます。

また守備においても時折軽さも見えるものの、比較対象がフィルミーノ、マネなので致し方ない部分はあり、質量共に十分と言えます。

ただ流石に競り合う形の空中戦は苦手で、ヘディングでのゴールはポジショニングが上手く取れた場合に限ります。

③攻撃の仕上げ役として

サラー選手のチームでの役割は「攻撃の仕上げ役（フィニッシャー）」です。両サイドバックやフィルミーノが作ったチャンスを得点に繋げる役割で、ややサイドアタッカー的なマネには中々出来ないポジションです。一時期不振に陥りマネも得点量産を続けていた際は不要論も出ていましたが、今やその話は殆ど聞かれなくなっています。

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そして2011年に初出場したエジプト代表でも最大の得点源として活躍しており、驚異的な得点率を誇っていますが、2018年のW杯では怪我で大暴れは出来ず（それでも出場した2試合ではいずれもゴールを奪っています。）、ネーションズカップでも2017年は決勝でカメルーンに敗北する等まだ代表にはタイトルをもたらしていません。

しかし国内では絶大な人気を誇っており、2018年に行われた大統領選では立候補していないにも関わらず約100万票が集まる等のエピソードがあります。

リヴァプールでは更なるタイトルを、そしてエジプト代表では「ファラオ」に相応しいタイトルをもたらすことが出来るか。サラー選手の今後のチャレンジに注目していきたいです。

では