今回はトッテナム所属のトビー・アルデルヴェイレルト選手について書いていきたいと思います。
経歴
アルデルヴェイレルト選手はアヤックスの下部組織出身で2008-2009シーズンにデビューしました。そして翌シーズン、その後も長い付き合いになるヴェルトンゲンとコンビを組みエールディビジ3連覇に貢献、翌シーズンにスペインのアトレティコマドリードに引き抜かれます。
しかしアトレティコではリーグ優勝に貢献するも、当時リーガ最強のコンビであったゴディン、ミランダの壁は厚く、自身はサブに甘んじていました。
そしてその翌シーズン、出場機会を求めてイングランドのサウサンプトンに移籍、吉田からレギュラーを奪いチームの上位進出に貢献。その実績を買われ、そのままイングランドのトッテナムへ移籍。アヤックスのチームメイトであったエリクセン、ヴェルトンゲンと再会することとなりました。
トッテナムでは契約問題で揉めた2017-2018シーズン以外はいずれも30試合以上に出場。1昨シーズンにはチャンピオンズリーグ準優勝に大きく貢献。今シーズンも守備の要&チームリーダーとしての活躍を期待される選手です。
ベルギー代表では2009年にデビュー、代表初ゴール、2018年ロシアW杯での対戦と日本代表と何故か縁がある選手です。
①優れた危機察知能力と正確なロングフィード
アルデルヴェイレルト選手の特長は「優れた危機察知能力と正確なロングフィード」です。屈強な肉体を持つプレミアリーグのセンターバックに比べて身体的には恵まれてはいませんが読みに長け、前もってパスカット、相手がドリブルする体勢に入る前にボールを入れる等、非常に危機察知能力に長けています。特に裏抜けやスペースを活用するアタッカーにとって彼は天敵ともいえる選手です。
またカバーリング能力も優れており、前に行きやすくなるストッパータイプのセンターバックの良きパートナーになり得ます。
そして正確なロングフィードも特長の一つです。レンジ、精度共に申し分なく攻撃の起点にもなることが出来ます。特に右足の左ウイングに対角線に渡る糸を引くようなロングフィードは芸術的ですらあります。
②純粋な対人能力
しかし課題は純粋な対人能力です。身体能力を売りにする選手の1対1ではやや分が悪く、ドリブラーにぶち抜かれたり当たり負けしてしまう場面が散見されます。
その為ポゼッション&ハイラインをベースとするバルセロナのようなチームでは活躍しにくいと思われます。幸いポチェッティーノ監督時ではハイラインですがカウンターベース、現在のモウリーニョ監督の元ではブロックをしっかり組んだ守備をしてくれる為、持ち味を存分に発揮してくれます。
出番は少ないながら今でも感謝の言葉を述べているシメオネ監督も含めて、本当に指揮する監督に恵まれた選手であると思います。
③盟友との別れと新たな相棒
アルデルヴェイレルト選手にとって今シーズンは大きな転機となりました。ヴェルトンゲン選手のベンフィカ移籍です。アヤックスで共に戦い、トッテナムで再会した二人の友情はドキュメンタリー番組でも多く語られています。
そして新たにパートナーに指名されたのはダイヤー選手です。ヴェルトンゲン選手に劣らないパワーを持ちますが、やや集中力が切れがちなのはマイナスポイントです。この新相棒といかに好連携を行えるかが今後の課題になってくるでしょう。
トッテナムとベルギー代表でディフェンスの要として活躍しているアルデルヴェイレルト選手。今シーズンの活躍も期待していきたいです。
では