今回はプレミアリーグ6チームが行うPSR対策について書いていきます。
①収益性と持続可能性に関する規則
PSRとはプレミアリーグの「収益性と持続可能性に関する規則」であり、各クラブが特定期間内で計上できる損失額を規定、及びどれだけ資金を使用出来るかを決定する規則となっています。
簡潔に言えば、3シーズンを通して1億500万£、1シーズンで3500万£までの損失を許容する(ユース育成やインフラ事業など免除対象の支出は含まれない)ものの、その金額を超えた場合独立委員会に付託され、厳しい処分を受けてしまうものとなっています。
この規則自体はかなり前からありましたは長年有言無実化しており処分されるクラブは殆ど無かったものの、ここ1年かなり厳格に取り締まりが行われています。
実際エバートン、ノッティンガム・フォレストがこの規則に違反したとして勝ち点剥奪を受けており、今シーズンオフにはこの2クラブに合わせチェルシー、アストンビラ、レスター、ニューカッスルが規定違反の可能性があるとして、6月30日を期限として(クラブの状況によってずらす事も可能)健全化を求められる事となりました。
②6クラブが結託して
そんな状況で各クラブに求められたのは「生え抜き」の売却。
移籍して加入した選手を他クラブに放出した場合、元の移籍金を差し引かれる形になるので反映される数字は小さくなることに対して、コスト0と計算され移籍金が丸ごと計上できるアカデミー出身の選手の放出が不可避となっていました。
実際チェルシーはマートセン、ルイス・ホール、ハッチンソン、アストンビラはケリーマン、ニューカッスルはアンダーソン、レスターはデューズバリー=ホールとアカデミー出身者を放出する事になりました。
しかしその際気になったのはそのやり取りの相手と移籍金で、上記した選手の内健全化を求められているクラブ同士の移籍は5件にも当たり、その金額も相場を大きく超えるものとなっています。
(選手獲得資金は契約年数により分割されて計上される為、1年単位で考えると得になります。)
正直状況的にお互い移籍を急がないといけないのは理解出来るものの余りに露骨。チェルシー、ニューカッスルを中心にこの6クラブが結託しているのは目に見えており、その金額の高さも彼らの狙いの内に入っていると思われます。
③歯止めをかけるためにも
ただ上記の方法はオーナークラブであれば規則には引っ掛からず、現状では問題はなく来シーズン以降もこの方法での計上は増えてくるでしょう。
しかし近年上場していたユベントスが選手をトレードで移籍させる際に金額を水増ししていた方法で不正会計をしていたとされ罰則を受けることに。(最近ではピアニッチとアルトゥールのトレードで6000万€が売り上げとしてユベントスとバルセロナに計上された例があります。)、しかし上場していないクラブはある程度の節度さえ持てば弄り放題で、今後は「架空」の市場価値での選手取引は増えてくると思われます。
正直今後は対策を取らないと歯止めが利かなくなってしまう(期限前に異常とも言える数のトレードが敢行させる等)為、今後のプレミアリーグの動きには注目です。
この件で感じたのはチェルシーのその抜け目の無さ。過去にも契約年数を増やして移籍金の分散を図ったり、今回のPSR対策でもクラブが所持しているホテルを関連企業に売却。そしてこの一連の移籍劇でも恐らく中心的に動いていることが予想され(動いている選手が多く、トレードも敢行。)、その規則の穴を突く慧眼には頭が下がるばかり。
今後もあらゆる手で抜け穴を探り続け、周りをアッと言わせてくれることでしょう。
では
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