今回は主要欧州リーグの2023~2024シーズン、躍進するクラブについて書いていきたいと思います。
6回目は「ラス・パルマス」です。
主な布陣&選手
①名手を生み出した小さなクラブ
ラス・パルマスはカナリア諸島にあるクラブで、1960年代後半から70年代前半はレアルマドリード、バルセロナに次ぐ成績を残していました。
しかし1990年代に入ると安定した成績を収められず2部と3部を行き来する事に。時折1部に昇格し2~3年残留する時期はあったものの、2部が主なステージとなっていました。
それでも地域柄非常にテクニックに秀でた選手を輩出しており、90年代~00年代を代表するスペイン隋一の司令塔であったバレロン、そして今やスペインを代表する選手になっているペドリ(バルセロナ)もこのクラブの出身と、規模は小さいながら名手を生み出したクラブとして有名です。
そして昨シーズンはバルセロナのBチームの監督も務めていたピエミンタ監督の元、パスを基調としてボールの即時奪回を行うサッカーを志向し見事自動昇格圏の2位に食い込む事に。
2017-2018シーズン以来の1部挑戦となりました。
②魅力的なパスサッカー
しかし上位カテゴリーでパスサッカーを通用させるのはタレントの質が足りず、開幕7試合で僅か1勝とスタートダッシュに失敗します。特に即時奪回を試みる守備はまずまずながらも点が取れず、ボール保持は出来ているものの中々得点には至らず僅か1ゴールと得点力不足に陥ります。
それでもピエミンタ監督は自身の哲学を変えずに自分たちのサッカーを貫くと、8節のセルタ戦の逆転勝ちから復調。12節のアトレティコ戦では目下6連勝中のチーム相手に完勝を収める等魅力的なパスサッカーを展開しています。
その特長は的確な後ろの「作り方」。アンカーが降りて3バックにする方法に併せ2-3-5に近い布陣を敷く等相手守備に合わせたビルドアップの使い分けを行いプレスを躱すと、ワイドに広がったウイングやライン間に侵入したインサイドハーフや1トップにボールを渡し分厚い攻撃を繰り出します。
またサイドの裏を突くロングボールも時折送る等バリエーションも豊かで、やや個は足りないものの高い組織力を誇っています。
そして守備も失った所からのカウンタープレスは距離感、強度共に高く相手を押し込む事に。どうしてもボールを失いやすく引っくり返されると大ピンチになるサッカーである為やや安定感には乏しいものの、昇格組とは思えない程質の高いサッカーを見せています。
③監督とキャプテンの対立も
そんな中クラブのアイコンであったビエラとピエミンタ監督の対立が表面化。冬の移籍市場では選手を取るか監督を取るかが注目されましたが、クラブは監督を取りビエラは退団を余儀なくされます。
これまでもあったように選手と監督の取捨選択を迫られた際に、選手の資産価値を考えて機嫌を伺い中途半端な対応や逆に指揮官を切ってしまう例が多かった中で、現状のサッカーを評価して監督を取ったのは大きく、監督の権限は守られよりチームの結束力を高められたと思われます。(当然監督が悪いパターンもありますが、今回は選手に非があると考えられこの決断は英断だと思います。)
この勢いを持ってすればソシエダ、ベティスがやや停滞気味なので欧州カップ出場権も夢ではないでしょう。
クラブが望むパスサッカーでリーガに新風を吹かせているラス・パルマス。今後の戦いにも注目です。
では
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