W杯激闘の記録と記憶～2002 ドイツ代表～【サッカー】

今回は過去のW杯での記録、そして記憶に残ったチームを書いていきます。

4回目は「2002 ドイツ代表」です。

主な選手＆布陣

①史上最弱の代表

2002年のドイツ代表を優勝候補に推す声は皆無とも言える物でした。90年代の黄金期（90年W杯優勝、ユーロ96優勝等）を支えていたベテラン選手が去るとタレント不足が顕著になり、ユーロ2000では死のグループに組み込まれる不運もあったものの未勝利でのグループリーグ最下位で敗退。

また予選でもホームでのイングランド戦に1-5で惨敗する等大苦戦。ホームでのフィンランド戦でドローに終わりプレーオフに回ることとなります。そのプレーオフでウクライナを破り本戦出場を果たすも、大会前にレバークーゼンの躍進の象徴であったノボトニー、ユーロ以降中心選手として見なされたショル、そして「天才」ダイスラーが怪我で参加を辞退する等離脱者も多く、フェラー監督率いるチームへの期待感は余計に下がることとなります。

そして付けられた名は「史上最弱の代表」。国内3強（バイエルン、ドルトムント、レバークーゼン）の選手は多く召集されているものの、ワールドクラスと言える選手はバイエルンの守護神を務めていたカーンぐらいで、サウジアラビア、アイルランド、カメルーンと曲者が多いグループでの苦戦は必至とされていました。

②最後の砦と覚醒した有望株の活躍

そんな中行われた初戦、ドイツ代表はサウジアラビア代表相手にワールドカップでは最大差勝利試合となる8-0での圧勝を果たし最高のスタートを切ります。2戦目のアイルランド戦ではクローゼのゴールで先制しますが終了間際にロビー・キーンに同点弾を浴び引き分けに終わります。

そして3戦目はラメロウが2枚のイエローカードで前半に退場しますが、後半に交代で入ったボーデ、そしてクローゼのゴールで追加点を挙げ勝利。大方の予想を上回る結果で決勝トーナメントに進出します。

さらに決勝トーナメント1回戦では後半終了直前のノイビルのゴールで劇的な勝利を挙げると、アメリカ戦ではバラックのゴールで勝利しベスト4に。その後準決勝の韓国戦もバラックのゴールで勝利し、あれよあれよという間に決勝に進むこととなります。

組み合わせの良さという幸運もありながらもその躍進を支えたのは3人の英雄。カーンは決して強固とは言えない守備の中でスーパーセーブを連発しチームを引き締めると、バラックは攻守に渡り抜群の存在感を示し躍動。そしてクローゼは親善試合での好調そのままに本大会でも初戦のハットトリックを含む5ゴールを挙げグループリーグ突破に大きく貢献。

最後の砦と覚醒した有望株の活躍が、チームを決勝まで導いたと言えるでしょう。

しかし準決勝ではバラックが警告を貰ってしまい累積警告で出場停止。不安の中決勝のブラジル戦に向かうこととなります。

③快挙とも言える準優勝

そして迎えた決勝。試合は攻めるブラジル、守るドイツの構図になり、ロナウドのシュートをカーンがセーブする等変わらない神がかりっぷりを見せました。

しかし後半ジルベルト・シウバとの接触プレーでカーンが負傷すると、その影響からかリバウドのシュートをファンブルしてロナウドに押し込まれ先制点を挙げられ、さらにクレベルソンのパスから再びロナウドに叩き込まれ追加点。

攻撃もバラック不在が大きく響き得点を挙げられずにいると、ブラジルがそのまま勝利し優勝。悔しい準優勝となりました。今でも試合後ゴールポストにもたれかかり呆然としていたカーンの姿が忘れられません。

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しかし戦前の評価から考えるとその戦いぶりは快挙とも言えるもので（カーンは大会初のMVPを獲得します。）、その戦いぶりは正にゲルマン魂を感じされ、自国開催のW杯に大きく弾みを付けるものとなるのでした。

では