今回はW杯における「ジャイアントキリング」について、
・両チームの背景
・戦術的な要因
・その後の両チーム
を中心に書いていきます。
7回目は「2014年ブラジルW杯 イタリアvsコスタリカ」です。
両チームのスタメン&結果
①死の組の「安パイ」
大会前、グループDはイタリア、イングランド、ウルグアイと優勝経験がある3チームが同居したことで、「死の組」と評されていました。
イタリアはユーロ2012で準優勝し実績十分の状況で本選に進出。イングランドはややタレント力は落ちたもののルーニー、ジェラード等の重鎮に加えて、スターリングやヘンダーソン、スターリッジ等躍進したリヴァプールのメンバーを加えて本選に臨み、そしてウルグアイはスアレス、カバーニの強力2トップにヒメネス、ゴディンのアトレティココンビを揃え攻守共にワールドクラスのタレントを要していました。
反面最後のチームはコスタリカ。ナバス(レバンテ)やブライアン・ルイス(PSV)キャンベル(オリンピアコス)等良質なタレントは揃えていたものの、他3チームとは流石に1ランク2ランク力が落ちており、いかに他3チームがコスタリカから勝ち点3を失わないかが焦点となっていました。
しかしそんな死の組「安パイ」の初戦に、コスタリカはいきなり波乱を起こします。ウルグアイ代表に対して前半に先制されるも後半に畳みかけ僅か3分で逆転、終了間際にも追加点を挙げ3-1で勝利します。ただ2戦目に対するのは初戦イングランドを破ったイタリア。流石に2戦連続のジャイアントキリングは無いとされました。
②5バックとカウンターを武器に
そして始まった第2戦、コスタリカは初戦と同様5-4-1のブロックを作り、イタリアの攻撃を防ぎつつカウンターを狙っていきます。崩したいイタリアですが、崩しのアイデアはほぼ皆無でピルロのパスとバロテッリの個人技に頼るのみで逆に危険なカウンターを喰らい、ボール保持は圧倒的なもののコスタリカは内容的には互角とも言える戦いを繰り広げました。そして決め手を欠くイタリアは前半終了間際にはあわやPKともなる危ういプレーの後、遂にブライアン・ルイスのヘッドで先制点を与えることになります。
追いつきたいイタリアはカッサーノやインシーニェなど攻撃的なタレントを次々と投入するものの攻撃の型は終ぞ見えず、守りを固めるコスタリカ守備陣を最後まで崩すことなく試合終了。コスタリカはウルグアイに続きイタリアをも破るビッグサプライズを起こしました。
③旋風を巻き起こす
その後イタリアはウルグアイ戦で退場者もあり0-1で敗北。2連敗でまさかのグループリーグ敗退を喫し、未だにその苦い記憶を払拭出来る機会を得られていません。(2018年、2022年は予選敗退を喫しています。)
対するコスタリカはイングランドにも引き分けで、予想を遥かに上回る1位で見事通過。決勝トーナメント1回のギリシャ戦もブライアン・ルイスがゴール、退場者もあり後半終了ロスタイムで追いつかれるもPK戦で勝利。ベスト8ではオランダ相手に圧倒的に攻められるも耐え抜き、こちらもPK戦に。惜しくも敗れ大会から姿を消しますが、その戦いぶりは「コスタリカ旋風」と評され、多くのサッカーファンに感動を与えました。
その後ナバスはレアルマドリードに移籍しチャンピオンズリーグ3連覇に大きく貢献する等今もなお世界有数のGKに数えられており、2022年W杯は日本と同グループになる可能性があります。
弱者の戦い方を徹底して磨き上げ数多の強豪を苦しめたコスタリカ代表。明確な攻撃の型を最後まで作れなかったイタリア代表を破れたのも必然的だったのかも知れません。
では
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