今回はついに正式発表された「欧州スーパーリーグ構想」について書いていきたいと思います。
①ビッククラブ中心のリーグ
2021年4月18日、かねてから噂のあった「欧州スーパーリーグ構想」がついに創設決定が発表されました。(初代会長はレアルマドリードのフロレンティーノ・ペレス氏)
内容としては
・アーセナル、リヴァプール、トッテナム、マンチェスターユナイテッド、マンチェスターシティ、チェルシー(イングランド)
・バルセロナ、レアルマドリード、アトレティコマドリード(スペイン)
の12のクラブ+3クラブの「創設クラブ」に加え、前シーズンに好成績を収めた5クラブを「招待クラブ」として参加。
計20チームを2つのグループステージに分けホーム&アウェーの総当たり戦(18試合)
し、各リーグ上位3チームと4位、5位は2回のプレーオフで決勝トーナメント進出チームを決めます。
決勝トーナメントはホーム&アウェーで準々決勝、準決勝を戦い、決勝は中立地での一発勝負での開催となります。
賞金総額は何と100億€(約1兆2000億円)で、現行行われているUEFAチャンピオンズリーグの20億(約2400億円)の約5倍となり、CL、ELにとって変わる大会となっています。
狙いは参加するクラブの安定した収益の確保(チャンピオンズリーグは国内リーグ戦が振るわなかった際には参加出来ません。)とコロナ禍で収益が減ったことにより更なる増収を求めてのことであると考えられます。
②各方面からの反発
当然各方面からの反発は起きています。UEFAとFIFAは主要国サッカー協会との共同声明で「厚かましいプロジェクト」と評し、当該のクラブの国内リーグ、カップ戦、代表戦に出場出来なくなることを示唆しました。
そして同時に24年から行うチャンピオンズリーグの新フォーマット(1次リーグに「スイス方式」を取り入れる)を発表し徹底抗戦を行っています。
また元サッカー選手のガリー・ネビル氏は「強欲にまみれた犯罪行為」だと一刀両断し、ルイス・フィーゴ氏は「決して「スーパー」ではなく貧欲で無神経」と苦言を呈しています。
UEFA・FIFA・各国リーグ協会vsビッククラブ。これまでも分配金、代表戦での選手の貸し出しや怪我の保証で小競り合いがありましたが、今回は「全面対決」することになりました。
③サッカーの魅力低下
個人的にこの「欧州スーパーリーグ」構想には反対です。
私がサッカーを好きになったのはその「不確実性」です。足を使うスポーツで所謂「ジャイアントキリング」が起こりやすく、戦力的に弱いチームでも知恵(戦略&戦術)+モチベーションで強豪チームを倒すことがよくあります。
・2003-2004シーズンのFCポルト、モナコ、デポルティボ
・2010-2011シーズンのシャルケ04
・2018-2019シーズンのアヤックス
等アウトサイダーが度々魅力的なサッカーで大会を彩っていました。そんな可能性を秘めるチームの参加枠を始めから狭めることは本来持っている魅力が損なわれると思われます。
また上位クラブの「囲い込み」は経済的格差をさらに大きくし、平行して行われる国内リーグの魅力低下(欧州カップ戦の枠の実質上撤廃で、順位を軽視するクラブが出てくる)にも繋がってくると思われます。
ただビジネス的に見ると現コンペティションを作ったUEFAの慢心も感じます。チャンピオンズリーグの莫大な収益に目がくらみ、バランスを取ることが出来なかったのは偏にUEFAの責任でもあると思われます。ビッククラブが反発するのも理解出来ます。
しかも発表された新フォーマットはよりビッククラブ寄りで説得力がなく、結局既得権益を守る為であると感じてしまいます。
小さな火種がついに爆発して行われたビッククラブの「クーデター」。これが果たしてサッカー界の「革命」となるのか、はたまたこれまで通りの「継承」となるのか、今後も注目していきたいです。そして何よりサッカーを支えるのは選手や監督の現場側、そして彼らを支えるファンであることを再度認識して頂きたい限りです。
※その後シティ、チェルシーがスーパーリーグ脱退を表明。プレミアリーグ他クラブも脱退する可能性が高まっていることから実現は困難になりつつあります。
では
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