今回はセリエAで提案されたリーグ所属チーム数の削減について書いていきます。
①20→18が要請されるも
先日セリエAの代表的なクラブであるユベントス、ミラン、インテルがイタリアサッカー連盟(FIGC)のガブリエレ・グラヴィーナ会長と面会しリーグ内のチーム数を削減して18チーム制を導入するよう要請したことが判明。
そして2月12日にセリエAの会合で、現状のリーグ体系の継続かチーム削減かの採決が行われましたが、結果20チーム中16チームが継続に賛成。反対票は上記3チーム+ローマのみとなり現状維持の継続が決定しました。
そんな中トリノのカイロ会長はビッグクラブ主導のリーグ改革案を欧州スーパーリーグに例え批判。2003-2004シーズン以来の18チームでのリーグ開催は見送りとなりました。
②試合数の大幅な削減が可能に
チーム数削減の一番大きなメリットは試合数の大幅な削減が可能になることです。
昨今欧州サッカーのカレンダーは「超」とも言える過密日程になっており、特に欧州カップ戦に出場するチームにとっては大きすぎる負担になり怪我人の増加や重傷化に繋がっています。
そんな中リーグ戦4試合を減らせるのは大きく、ドイツのブンデスリーガのようにシーズン半ばに長めの休みを入れることも可能。更に1試合ごとの負担も減り、より強度が高くアグレッシブなサッカーを繰り広げることも可能となります。
また財政的にも戦力的にも1部の戦いに耐えられず1年で降格してしまうような所謂「エレベータークラブ」を減らす意味もあり、リーグ全体のレベルアップに繋がる効果も期待出来ます。
③ビッグクラブ主導が何よりの問題
しかし中小クラブにとってはセリエAの舞台は知名度的にも財政的にも魅力的な物であり、その枠を減らす事は単純に確率を下げてしまうので反対するのは当然であると思います。
ただフランスのリーグアンは今シーズンから18チームに減らしており、実際リーグアン、リーグドゥ(2部)どちらの承認も取り付けています。
その大きな違いはリーグアンは当時のプロフットボールリーグ(LFP)の会長の発言がきっかけて進められたもので、
・欧州の舞台におけるリーグアンクラブの成績低迷
・放映権問題の勃発
の解決に向けてのプランがしっかりと盛り込まれていました。
一方今回のセリエA再編案はあくまでビッククラブ主導であり、上記のようなリーグ全体を巻き込みそうな問題も特にない状態。そんな状態では中小クラブの同意は取り付けられずはずもなく、時期尚早と言わざるを得ないでしょう。
また過密日程だけを考えるならば真に戦うべきはUEFAやFIFAであり、上記4クラブは矛先を間違った感もあり、今後このような案を通すのは難しくなったと言えます。
要請するのがかなり勇み足だったかと思われる今回のチーム削減案。しかし過密日程は実際深刻な問題でもあるので、FIFA、UEFAと並行して話し合いを行い解決したい所です。
では
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