今回はリヴァプール移籍が決まったチアゴ・アルカンタラ選手について書いていきたいと思います。
①超絶技巧と優れたプレービジョン
チアゴ選手の特長は「超絶技巧と優れたプレービジョン」です。とにかくボールを扱う技術に優れ、足裏や細かいタッチでボールを自由自在に扱います。特にファーストタッチは素晴らしく、相手の逆を突き一気に前を向くことが出来ます。
また優れたプレービジョンを持ちゲームを支配する能力を持っています。特にビルドアップ時にその能力は遺憾なく発揮され、ワンタッチで叩くかキープしてリズムを変えるかの判断が素晴らしいです。そして両足から繰り出されるスルーパスは質、タイミングともに絶妙で一気に局面を変える威力を持っています。
バルセロナ時代に「シャビの後継者」と評されている程、優れた判断力、技術を持ち合わせたワールドクラスのプレーメーカーと言えます。
バルセロナではイニエスタ、シャビ、ブスケッツの牙城を崩せず恩師グアルディオラ監督率いるバイエルンに移籍。絶対的な司令塔としてブンデスリーガ7回、チャンピオンズリーグ優勝に大きく貢献しました。
②切り替えの強度
しかし課題もあります。フィジカル面での不安があり強度の高い試合では苦しむ傾向にあります。スプリント力やフィジカルも平凡なので当たり負け＆走り負けすることも多く、中盤の守備も切り替えは早いながら、やや軽い部分が散見します。
ただ周りを動かせる守備は上手い為、守備戦術が整い個々に依存しない戦術の元では力を発揮出来ます。死角からのボール奪取やインターセプトも多い選手です。
③バリエーションを増やす存在
リヴァプールは「ヘビーメタルフットボール」と呼ばれるなど非常にトランジションが早いサッカーを行っており、強度に耐えれるフィジカルが要求されます。
チアゴ選手は強度という点では適応は難しいとされています。しかし昨シーズンのリヴァプールの課題が「引かれた時の攻撃」にあったので、切り替えが早くプレービジョンに優れたチアゴ選手はバリエーションを増やす存在になってくれそうです。初めはプレミアの当たりに苦しむでしょうが、シーズン半ば以降はリヴァプールの司令塔として自在にタクトを振っているチアゴ選手を見ることが出来るかも知れません。
従来行っているフットボールに「異質な存在」として加わるチアゴ選手。どのような化学反応が起こるのか楽しみです。
では
