今回はアトレティコマドリード移籍が決定したコナー・ギャラガー選手について書いていきたいと思います。
経歴
ギャラガー選手は8歳にチェルシーの下部組織に加入。2018-2019シーズンはアカデミーの年間最優秀選手賞を受賞し、同年のヨーロッパリーグ決勝にベンチ入りする等将来を期待され、その後チャールトン、スウォンジー、WBAとレンタル移籍を繰り返し力を磨くことになります。
転機となったのは2021年に加入したクリスタルパレスで、当時のヴィエラ監督から絶対的な信頼を得てシーズン序盤からスタメン出場を果たし、リーグ戦8ゴールを記録。さらにFAカップでも準決勝進出に大きく貢献してクラブ年間最優秀選手に選出。飛躍の年となったギャラガー選手は翌年チェルシーに復帰する事になります。
チェルシーではチームが不調の中、そのユーティリティー性とここぞという時の決定力を生かし主力として活躍。2023‐2024シーズンには怪我人続出もあったもののキャプテンマークを巻く等将来的にクラブのアイコンになることを期待されていましたが、クラブはPSRの関係もありアカデミー出身選手売却に動くと、自身もその対象に。
一時期はその噂も立ち消えもあったものの、自身の契約延長の問題、そしてチェルシーが補強を止めない為2024年8月21日にスペインのアトレティコマドリードに移籍。
イングランド代表では2021年に初招集され、2022W杯、ユーロ2024のメンバーに選出。分厚い選手層に阻まれ出場機会は限られているもののチームには少ないタイプの選手である為、今後の躍進が期待されています。
①高い戦術理解力と魂溢れるメンタリティ
ギャラガー選手の特長は「高い戦術理解力と魂溢れるメンタリティ」だと思います。
正直メガクラブでプレーする選手の中では技術的には特段優れている部分は見当たらないものの、高い戦術理解能力を生かしアンカー以外全ての中盤のポジションをこなせる利便性を誇り、トップ下やボランチではボックスtoボックスの仕事を行い守備をしつつゴールを強襲、さらにサイドに配置されればサイドバックを生かしつつ自身もゴールに飛び込みチームに貢献します。
また無尽蔵のスタミナに加え魂溢れるメンタリティも持ち合わせており、守備時ではプレスを怠らず相手に最後まで食らいつきます。またガッツあふれるプレーでチームを鼓舞する等リーダーシップも持ち併せ低迷が続くチームの中でも数少ない希望となっていました。
②所々で見せる「不器用さ」
反面前述したように特段技術に優れている訳では無いので一人でDFラインを切り裂いてフィニッシュ等、個で違いを作り出すことは出来ません。またボールを保持した際のポジショニングには課題があり、攻守において気を利かす必要性のあるアンカーを任せるには物足りない部分があります。
その所々で見せる「不器用さ」は彼が天才肌では無いことを証明していますが、同時にここまで素晴らしい選手になっているのはいかに凄まじい努力を行ったことの証明にもなっており今後の「伸びしろ」にも期待しています。
③クラブの気質にマッチする人材であるので
新天地であるアトレティコはシメオネ監督の哲学が浸透している、正に「魂の集団」。時には全く攻める意欲が無く10人で守りを固めたりする等「勝利」に対して執念を見せるクラブの気質はギャラガー選手に見事にマッチするもので、クラブにとっても有益な人物となっています。
ポジションもボランチ、インサイドハーフ、そしてシャドーなどプレー出来る場所は多くパサーには事欠かせない状況。組織的なラリーガのサッカーやスペインの生活に慣れられるかは懸念点ですが、アスピリクエタという元チームメイト兼橋渡し役もおり彼の活躍を後押しさせており、躍進の可能性は高いかと思います。
愛するクラブから半ば追い出される形でスペインへの渡ったギャラガー選手。その悔しさを糧に今後プレーで見返してくれることを期待しています。
では
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