今回は主要欧州リーグの2020~2021シーズン、躍進するクラブについて書いていきたいと思います。
1回目は「ウエストハム」です。
①悲観的な開幕前
開幕前までは降格候補筆頭になるほど「悲惨」なものでした。これまでも巨額の投資はするものの結果は伴わず、過去10年でのヨーロッパカップ戦出場は僅か2回(2015-2016、2016-2017)と全くかみ合っていませんでした。選手や監督の定着も上手くいかず、「経営が下手なクラブ」の典型例となっていました。
今シーズンもその例に漏れず、前述した一貫性の無い補強やコロナ禍の影響で財政的に厳しくなり、フロントは「チームの未来」であるディアンガナをWBAに放出する決断をします。その移籍劇に主将のノーブルや他選手がSNSで怒りを示し、モイーズ監督にも知らされなかった等、クラブの混乱ぶりが表面化し「降格候補筆頭」に挙げられるに至ります。
さらにモイーズ監督もマンチェスターユナイテッドでの失敗から目ぼしい結果を残すことが出来ず(昨シーズンは降格圏ギリギリの16位)新シーズンでも不安視されていました。
②システムの使い分けと個の躍進
案の上開幕から連敗スタートをし、下位に沈むのは時間の問題かと思われました。しかし転機になったのは敗れた2節のアーセナル戦でした。この試合で5バック(5-4-1)に手ごたえを見出すと、タックルに秀でたツォウファルと突破力のマスアクを両ウイングバックに置き見事に機能させ上昇気流に乗ります。
またマスアクが離脱した際にクレスウェルをサイドバックに戻す4バックに再び変更しますが、代わらぬ強度を保つことが出来ています。
その躍進の「象徴」になっているのがセンターハーフのライスとソウチェクです。14歳からウェストハムでプレーするライスはボール奪取力に優れ、近年ではパスセンスにも磨きをかけている有望株で、今やチームの心臓部となっています。また昨冬から加入したソウチェクは長身とフィジカルを生かした空中戦や、迫力満点の飛び出しなど攻守においての存在感は抜群です。
また中心部が固まったことにより、ボーウェンのカットインやフォルナルスのパスセンス、アントニオの強さが生きるカウンターが機能し、着実に勝点を積みあげるチームになりました。
選手の特性に合わせたシステムを使い分け、「個」を生かすカウンター戦術を機能させたモイーズ監督のマネジメント力も特筆に値すると思います。
③致命的になる選手層の薄さ
しかし大きな懸念点があります。まず「致命的になる選手層の薄さ」です。
現状チームは15~16人で試合を回している状況で、レギュラークラスはほぼ固定されている状態です。その為レギュラーの内誰かが離脱してしまうと一気に失速してしまう可能性が高いです。特に個の依存が高い攻撃陣は、アレを放出したことにより前線は更に層が薄くなってしまいかなり綱渡りの状態です。
冬に加入し、大活躍しているリンガードがどこまで彼らの負担を軽減させるかが注目です。あとはビッグセーバーである守護神ファビアンスキの力も相当大きいので、どこまでコンディションを保てるかが上位陣に踏みとどまれる要因になると思います。
戦前の予想を大きく覆し、躍進しているハマーズ(ウェストハムの愛称)。どこまで戦えるか楽しみな所です。
では
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