きちのうすめ雑記

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欧州成金クラブの歩み~マラガ~【サッカー】

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今回は欧州の「成金クラブ」の歩みについて書いていきたいと思います。

最近ではニューカッスルが実質「世界一」の金満クラブになりましたが過去にもよく似た状況になったクラブはあります。

今回は成績を向上させるにおいて重要な

①補強戦略

②監督選び

③センターラインの確立

を焦点において、そのクラブがどのような歩みを見せ、どのような結果をもたらしたかを書いていきたいと思います。

 

3回目は「マラガ」です。

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写真:PICS UNITED/アフロ

主なフォーメーション

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背景

マラガは2000年代に将来性のあるタレントを要し欧州でも確かな足跡を刻んでいましたが、2000年代中盤には2部に落ちる等浮き沈みがあるクラブでした。

実際2000年代後半には1部に昇格するも不安定な戦い方を続け、いつ2部に落ちてもおかしくない状況でしたが、2010年にカタール王室の一員でもあるシェイク・アブドゥラ・ビン・ナッサル・アル=タニが、3600万€でクラブを買収。マンチェスターシティという前例があっただけにサポーターの期待は大いに膨らむこととなりました。

 

実力主義の大型補強

当初チームは大幅に選手を入れ替えたものの大型補強は行わず、FCポルトなどを率いた経験のあるジェズアウド・フェレイラ監督を招集してシーズンを戦っていました。しかしチームは低迷し監督が求心力を失うと、後任監督にペジェグリーニ監督を招集しました。そしてマラガが行ったのは「実力主義の大型補強」でした。

この年の冬にマレスカデミチェリスカマーチョ、アセンホ、バチスタ、そして翌年にはモンレアルホアキン、イスコ、マタイセンカソルラトゥララン等国内で実績を挙げた選手を中心に補強すると、PSVマンチェスターユナイテッドレアルマドリードハンブルガーSV等で活躍したファン・ニステルローイを獲得。彼以外は決して派手な選手はいないものの的確な補強でチームを強化していきます。

 

②現場の頑張りと表面化する問題

そしてチームは迎えた2011-2012シーズン、ファン・ニステルローイは衰えを見せ思ったような活躍は見せませんでしたが(翌年現役引退)カソルラ等新戦力の活躍もあり安定した戦いを続けると、クラブ史上最高の4位でフィニッシュします。

このように着実な歩みを見せていたチームですが、肝心のクラブは次々と問題が表面化されます。

まず選手やスタッフに度々給料の滞納が発生するようになり、遂には選手がクラブを告訴する事件に発展してしまいます。(告訴はすぐ取り下げられました。)

そしてオーナーが他国の石油企業とクラブの売却交渉を行っているとの報道が流れクラブは大パニック。その後経営陣はポケットマネーでの投資を止め、クラブの収支バランスを重視した堅実経営への方針転換を発表しました。

この理由としては大規模なスポーツリゾートを建設する計画が頓挫した、投資した資金を一部のクラブ幹部が横領していた等諸説ありますが、このシーズンを境に投資がピタリと止まってしまったのは事実で、スペイン第3のクラブを夢見た(当時はレアルマドリードバルセロナの2強でした)ファンの希望は打ち砕かれることとなります。

そして翌シーズンは移籍金の未払いなどもあり中軸になるはずであったカソルラアーセナルに売却しますが、ペジェグリーニ監督の元チームはチャンピオンズリーグで躍進。プレーオフを勝ち抜くだけでなくグループリーグを首位突破。準々決勝でドルトムントに敗れるもののベスト8まで駒を進める等躍進。現場の頑張りが光りました。

 

③余りにも短かった輝き

しかし翌シーズンも財政上の問題は解決されず、4シーズンの欧州カップ戦参加禁止命令を下され、センターラインを整えるどころかイスコ、ホアキントゥララン等前シーズンの功労者も放出。ペジェグリーニ監督も退任しチームは一からの立て直しを余儀なくされます。

その後チームは長らく中位に留まっていましたが2017-2018シーズンに2部降格、アル=タニオーナーも2020年にクラブの資金を私的に利用した横領などの容疑で一時的に解任されることとなり、まだ浮上の兆しを見せません。

・実力を重視した大型補強を行う

・現場の頑張りがありチームは上位進出を果たす

ことがありながら

・クラブの杜撰な経営からの出し渋り

でチームは崩壊。僅か2年弱の余りにも短かった輝きとなりました。

 

例え金満クラブとなってもあくまで大事なのは強固な組織作り。それを体現してしまったクラブであると言えます。

 

では

 

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