今回はスペイン代表を取り巻く問題について書いていきます。
①招集に応じなければいけないという「法律」
現在ネーションズリーグが行われているものの、過密日程や怪我人続出で問題になっているサッカー界。そんな中今回話題になったのがスペイン代表で、ユーロ2024では優勝は果たしたもののデ・ラ・フエンテ監督の選手の起用方法、そしてその発言が問題視されています。
そもそもスペイン代表には招集に応じなければいけないという「法律」があり、もし破った場合は罰金、続けると複数年の出場停止処分や役職の剥奪もあり得る様でかなり厳しいものとなっています。その為現状では活動への参加をクラブが拒否できず、労働の管理も行う事が出来ない状態で度々問題となっています。
ただそもそも何故このような他国にない法律があるかというと、スペインという国は歴史上地方への愛が強く国の代表というよりは地方の代表としてプレーしたい選手が多く、代表拒否が相次いだ過去があります。
その為1990年11月にスポーツ法第47条に「国際大会への参加、またはその準備のために、ナショナルスポーツチームの呼びかけに参加することはアスリートの義務である」と定められ、代表チームを半ば強引に成り立たせる事に。今ではかなり薄れているとはされているもののその意識は根強く残っており、この法律の改定は難しいとされています。
②重傷者続出で大きな問題に
しかしこの法律が違う意味で悪影響を与えることになります。近年の過密日程、そして選手の若年化により中心選手であるロドリ、そして若手有望株出会ったペドリやガビ等が代表戦で重傷を負い長期離脱を余儀なくされる事に。
特にペドリに関しては若干18歳でシーズンほぼフルに出場した後、ユーロ、東京五輪にも出場。その代償として以降は負傷離脱を繰り返す事になり、今もその状況は続いています。
恐らくクラブ側が拒否権を持てば東京五輪出場は無かったとされ(実際バルセロナは要望を出しています。)、このようなキャリアを過ごす事は無かったかも知れないと思いと悔やみに悔やみきれない所です。
※先日行われたデンマーク戦でヤマル選手が怪我で途中交代。その状態が心配されます。
③戦う相手を間違えている指揮官
そんな中デ・ラ・フエンテ監督が怪我人続出の原因が代表では無く、クラブ側に責任があるかのような発言を起こし物議を醸す事に。
正直主力選手の優先起用は結果を残さないとクビになる監督業という仕事上当然必要にはなるとは思いますが、同監督は五輪で明らかに疲れを見せているペドリを試合に出し続け、それ程重要ではない試合で違和感を訴えていたガビを出場させて大怪我を負わせてしまう等、起用法には明らかに問題がありました。
そういった「前例」を作ってしまった監督がこのような発言をしているのは「責任転嫁」としか受け取られず、今後クラブとの関係性の悪化も考えられます。
今現場監督が批判するのであれば単純に試合数を増やしたFIFAやUEFAであり、完全に戦う相手を間違えている状況。もう少し状況を読んで発言して欲しかった所です。
過去の出来事によって定められた法律、過密日程、そして現場トップの拙い発言が問題になっているスペイン代表。今後どのような流れになっていくのか、注目です。
では
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