※ネタバレ有り
今回はアニメPSYCHO-PASS サイコパスの登場人物「狡噛慎也(劇場版SS)」について書いていきます。
①葛藤
今作ではSEAUnの事件後、狡噛がチベット・ヒマラヤ同盟王国に向かう所から物語が始まります。
狡嚙が出会ったのは、自身の家族の命を奪ったベルモンドに復讐を誓った少女テンジン。彼女の熱意に押され狡噛はあくまで護身術のみを教えることを条件に承諾することになり、一時的に留まることになります。
そんな中、テンジンとのやり取りで狡噛の心境が垣間見えることになります。
復讐を果たした狡噛が復讐を誓う少女の前でその行為を否定。この言動は復讐を果たしたものの未だにその罪に苛まれている現在の自分(度々槙島の幻影と対話していることから伺えます。)にならないようにという意味と、その気持ちは痛い程わかるという葛藤が上手く表されています。(護身術のみと限定したのもその葛藤が表されています。)
「俺は復讐なんて、命をかけるほどの価値はないと思ってる。」
「一度人を殺したら、もう二度と殺す前の自分には戻れない。その重さは時間が経つごとに重しとなってのしかかってくる。」
そんな中、日本棄民の調査をしている花城フレデリカが現れると物語は加速化。狡噛はチベット・ヒマラヤ同盟王国の内戦を鎮めるため交渉している停戦監視団のギレルモに助けられます。
しかしそのギレルモはマルセルと結託しており、自分達が起こした戦いを自分達で解決するというマッチポンプを行っていたことがテンジンにより告げられ、口封じのために現れたギレルモに対峙。
合流した花城とキンレイと共にギレルモが乗る列車を襲撃し、彼を討ち果たすことに成功。自身を悪役とすることでチベット・ヒマラヤ同盟王国の和平交渉を加速させ、花城と共に日本へと向かうこととなるのでした。
③居場所を失った者だからこそ出来る事
今回のタイトルにもなっており作中でも登場している「恩讐の彼方に」という書籍は実存しており、主君殺しの大罪を犯した市九郎(主人公)が殺された主君の子である実之助は長い仇討の旅の末出会う物語です。
作中では立場や関係性は違えども狡噛、テンジン、ギレルモの関係性に類似している部分があり、こういう意味がある偶然を演出できているのも今作の素晴らしさであると思われます。
そして日本のシステム上居場所を失った者だからこそ出来る事を狡噛は見出したのか、再び日本に帰る事となります。
3期に続く本作。この狡噛の行動は物語にどのような影響を与えるのか、楽しみです。
では
PSYCHO-PASS サイコパス Sinners of the System Case.3 恩讐の彼方に__ [ 関智一 ]
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PSYCHO-PASS サイコパス Sinners of the System「Case.3 恩讐の彼方に__」/ 1【電子書籍】[ [作画]斎 夏生 ]
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