きちのうすめ雑記

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【訃報】イビチャ・オシム氏~日本を驚愕させた哲学と独特の語録~【サッカー】

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今回は2022年5月1日に死去したイビチャ・オシム氏について書いていきます。

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①最後のユーゴスラビア代表監督

オシムさんはジェリェズニチャル、ユーゴスラビア代表、パルチザンパナシナイコスシュトゥルム・グラーツ監督を経てジェフユナイテッド市原監督に就任しました。

来日当初正直当時はオシムさんを「ユーゴスラビア代表最後の代表監督」としてしか認識していませんでした。当時のユーゴスラビアストイコビッチ、パンチェフ、ボクシッチ、プロシネツキサビチェビッチシュケル錚々たるメンバーを揃えており、W杯ではベスト8に進出する躍進を見せていました。

しかしユーゴスラビア崩壊の影響で国際舞台から締め出されると、分裂の中予選を勝ち抜いていたチームもユーロ1992の出場権を失いました。オシムさんも自身の出身地(サラエボ)を攻撃する自国の代表監督を務めているというジレンマを抱えそのまま辞任。代表は解体されることとなりました。

ただその後2011年、民族別に分かれていたボスニア・ヘルツェゴビナサッカー協会の「正常化委員会」の委員長に就任。3人並立していた会長を一本化させチームも2014ブラジルW杯の出場権を決め、母国のサッカーの発展に大きく貢献しています。

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②日本を驚愕させた戦術と独特の語録

そして日本でも大きな驚きを与えます。当時個人の技術だけがピックアップされていた日本サッカーに「考えて走る」ことを提唱。元々感覚的だったポジショニングやオフザボール、そして数的優位の作り方を理詰めに選手達に説き、中堅クラブの一つに過ぎなかったジェフを一躍強豪クラブに押し上げました。

獲得タイトルはJリーグ杯(2005)のみですが、その戦い方は今までになくアグレッシブで機能的なサッカーで瞬く間にサッカーファンを虜にしました。

さらに言葉使いも堪能で数々の語録を残しています。

特に個人的に印象に残ったのは「守備的な選手はいるのか? 水を運ぶ選手も必要だ。」で、これまで局面的な場面(球際や1対1)だけを主に注目していたのですが、チーム全体の動き、そして連動性も注目して見るようになり、サッカーをより深く楽しむことが出来ました。

他にも今では当然とも言える常識をウィットに富んだ言葉回しで表現しており、数々の人々の心に刻まれていると思います。

 

③受け継がれるその哲学

そんな中での2007年の代表監督退任。仕方がないとは言え正直オシムジャパンをもっと見ていたかったのが正直な所です。今でも試合を見ることは可能ですが、所謂現代サッカーを先取りしているような戦い方をしており、むしろ今の方が評価されるような戦い方をしています。(当時はアジア杯敗退で相当な批判を受けていました。)

それでもジェフ千葉や日本代表でも彼の下でプレーした選手達がこれから指導者として羽ばたく年齢にもなってきており、その哲学が上手く受け継がれ、師がそうであったようにやや閉塞感のある日本サッカー(特に協会)を打開してくれることを心から願っております。

母国のサッカーだけではなく日本サッカーにも多大な財産を遺してくれたオシムさん、ご冥福をお祈りいたします。

 

では