今回はW杯における「ジャイアントキリング」について、
・両チームの背景
・戦術的な要因
・その後の両チーム
を中心に書いていきます。
5回目は「2010年南アフリカW杯 南アフリカvsフランス」です。
両チームのスタメン&結果
①共に未勝利で最終戦へ
ワールドカップ史上初のアフリカ大陸開催。その開催国であった南アフリカ代表ですが前評判は決して高くはありませんでした。
かつて1994年にブラジルを率いて優勝を果たしたパレイラ監督を招集(パレイラ監督は途中代表を離れる時期があったものの復帰しW杯に臨む事になりました。)したものの2008年のネーションズカップはグループリーグ敗戦。そして2010年はまさかの予選敗退と目立った結果は残せず、選手もピエナール(エバートン)ぐらいしかタレントはおらず国内組が中心でした。
何とか開催国の地の利と組織力で戦いたかった所でしたが、初戦のメキシコ戦はカウンターで先制するも守り切れずドロー。2戦目のウルグアイ戦はGKのクーンが退場するなど守備が崩壊して3失点で敗戦。その上3戦目は強豪フランス。まだ決勝トーナメント進出のチャンスはあったもののタレント力の差は歴然で開催国が未勝利でグループリーグ敗退も現実味を帯びていました。
対するフランス代表は2006年W杯では準優勝するものの、ユーロ2008ではグループリーグ敗退と屈辱を味わい、予選ではアンリの疑惑のハンドで辛くも突破を決める等ドメネク監督への不満が溜まりに溜まっている状態でした。
そして迎えた本大会でも1戦目のウルグアイ戦でスコアレスドロー、2戦目のメキシコ戦で0-2の完敗を喫すると、監督に暴言を吐いたアネルカが代表を追放されると、これに反発した選手達が練習をボイコットする前代未聞の状況に。もはや試合が出来る状態に無い状況で最終戦を迎えることになります。
②最終戦でジャイアントキリングを起こす
そして試合が始まるとフランスはそのチグハグさを見事に露呈。まともに決定機を作れずにいると、コーナーキックの目測をロリスが誤りクマロがゴールを挙げ南アフリカが先制します。さらにグルキュフが相手に肘打ちをしたとして退場、数的不利に陥ります。勢いに乗った南アフリカはその後も攻め続け、相次ぐフランスDF陣のミスを突き追加点を加え、前半だけで2点を先行します。
後半は何とか持ち直しリベリーのアシストからマルダが決めるも時すでに遅し。途中出場したアンリもインパクトは残せず試合終了。南アフリカが最終戦でジャイアントキリングを起こすことに成功しました。
③W杯開催を起爆剤にすることが出来ず
ただ南アフリカも得失点差で及ばずグループリーグ敗退。共に早々に大会を去ることになりました。しかしあらゆる面で醜態を晒したフランスに比べて南アフリカは確かな足跡を残すこととなります。
しかしその後フランスは低迷期を抜け出し、ユーロ2016の準優勝を皮切りに2018年W杯も制覇。2022年W杯でも優勝候補最右翼と評されています。
一方南アフリカはその後W杯の舞台に立てず、ネーションズカップでも2019年のベスト8が最高と低迷。W杯開催を起爆剤にすることは未だ出来ていません。
内紛によりチーム崩壊を迎えたフランス、団結力を見せ希望を示した南アフリカ。両チームは現在対照的な道を歩んでいると言えます。
では
【ネームナンバー無料】南アフリカ代表 2010 ホームユニフォーム 黄色 adidas製
|
|