※ネタばれ有
今回は「シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇」の「碇ゲンドウ」について書いていきたいと思います。
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①人を捨てた神に等しき存在
「Q」では「ネルフ」に冬月と共に残りミサト率いる「ヴァレ」と対立し「リリンの王」として人類補完計画を遂行していきますが、カヲルの自害やヴィレの妨害によりカギとなる「フォースインパクト」が未遂に終わっていました。
それでも彼は地球上の全ての人類を完全なる一つの生命体とする「アディショナルインパクト」を実行すべく行動し、「破」で手に入れた「ネブカドネザルの鍵」で人間ではない生命体へと進化し「人を捨てた神に等しき存在」になり、最終決戦にてシンジ達の前に立ちはだかります。（「Q」でのファイナルインパクト＝アディショナルインパクトであると考えられます。）
そのバイザーで隠された真の姿は、眼窩が失われ、眼のあった場所は空洞となっており、その奥には赤い禍々しい光が輝く禍々しいものでした。
またリツコに狙撃され脳の一部が吹き飛んだ際も何事も無かったように拾い上げ戻す等、完全に「人を捨てた」行動を起こしていたことで彼の「狂気」が伝わります。
②目的は同じ
その目的は「亡き妻である碇ユイに再会すること」で、旧劇場版と同じです。
本作ではより彼の心情が表されており、息子と同じく孤独であり勉強とピアノに明け暮れていた少年期、そしてユイとの出会いで初めて人といる幸せ、そしていなくなる寂しさを感じることとなります。
そしてその手段を知ることになったゲンドウは人類全体を巻き込み、自らのエゴの為に行動を開始します。気持ちは純粋なものの方法が残酷で自分勝手極まりない者、止める者がいない（冬月は全面的に協力し彼を否定することはありませんでした。）状況で彼は暴走し続けます。
③「超えるべき」父親としての役割
しかしそこに立ちはだかったのは、かつて親子の絆を築こうとしなかった「息子」シンジでした。
そして彼と旧劇場版では無かった「話し合い」をすることになり、他人の死や想いを受け止めることが出来るようになり成長を見せた息子の姿を目の当たりにすることになります。さらにインパクトのトリガーが自分ではなくシンジに移ったことを悟り、シンジに親として接しなかったことを詫び、アディショナルインパクトの実行を諦めます。
またシンジが行った「ネオンジェネシス」の際に初号機に宿ったユイに再会を果たし、自らは初号機と第13号機ごとガイウスの槍で刺し息子の手助けをする為に消滅していきました。
旧劇場版に無かった対話と、「超えるべき」父親としての役割を果たしたゲンドウ。決してその所業は許されるものではありませんでしたが、彼にとってはそれが自身の補完になったかも知れませんね。
では
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