今回はチェルシー所属のクル・ズマ選手について書いていきたいと思います。
経歴
ズマ選手は2011年サンテチェンヌでプロデビューし、10代ながら将来を期待される選手として早々に注目される働きを果たします。そして2014年1月にチェルシーが獲得を発表(合流は夏)し一気にビッグクラブにステップアップします。
翌シーズンからチェルシーに加入。ケイヒルやテリーのバックアッパーとして数多くの試合に出てレギュラー獲得も時間の問題かと思われましたが、2016年に膝の十字靭帯を損傷し長期離脱。復帰後も当時のコンテ監督の構想からは外れ、2017年にストーク、2018年にエバートンにレンタルされます。
そして2019年にチェルシーに復帰すると、ランパード監督の元主力として活躍。今シーズンは相棒にチアゴ・シルバを迎え、日々進化したプレーを見せてくれています。
①圧倒的な空中戦
ズマ選手の特長は「圧倒的な空中戦」です。190㎝92㎏という体格に加えて跳躍力やボディバランスに優れており空中戦では無類の強さを誇ります。特にジャンプの滞空時間は俗に言う「落ちてこない」感があり、是非ユベントス戦でロナウドと対決して欲しいぐらいです。
また最近では体を前もって当てる、フィジカルに頼らないポジショニングを取ることにより能力がより生かされており、屈強なDFがひしめくプレミアリーグでもナンバー1とも言われるストロングヘッダーとなっています。
スピードも速く1対1も年々強くなっており対人守備でも頼りになる存在となっています。
②不得手な攻撃の組み立て
しかし反面ビルドアップは不得手です。キック力はあるものの左足の精度はイマイチで組み立て時のバタバタ感が凄いです。またパスの出しどころの判断もやや危険で、現時点ではポゼッションサッカーには不適応と言わざるを得ません。
ただシーズン当初は左CBに置かれており不安定さを露呈していたものの、今は右に置かれサイドにパスコースが作れている為、ある程度安定したビルドアップが出来るようになっています。
ランパード監督の起用法が功を奏した形になっています。
③どこまで学べるか
今シーズンはカバーリングに優れるチアゴ・シウバの加入でアグレッシブに前で勝負するズマ選手の良さがさらに際立ったと思います。また頻繁にポジショニングやコーチングを受けており「守備の先生」としても大きな存在となりそうです。
かつてマルキーニョスやキンペンべをビッグクラブのレギュラークラスまでに「育てた」とされる選手なので、ズマ選手もより完成度の高い守備者になっていくものだと思っています。
ただ余り長くは在籍出来なさそうなのでいかにその間に「学べるか」が勝負になってくると思います。
ベテランや監督に支えられ特大のポテンシャルを開花させようとしているズマ選手。今後も注目していきたい選手です。
では
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