今回は主要欧州リーグの2020~2021シーズン「苦しむ名門」について書いていきたいと思います。
本来の力を考えればもっと上位にいてもおかしくない戦力を持ちながら苦しむチームをピックアップしていきたいと思います。
4回目は「シェフィールド・ユナイテッド」です。
①日程の過酷さ
開幕7節でアーセナル(4節)リヴァプール(6節)シティ(7節)とビッグ6と対戦、残りの試合もウルヴス、リーズ、アストンビラなど勢いのあるチームや注目のチームと対戦。余りにも過酷な日程がこの成績を生み出しているのは不運としか言いようがありません。
ただ昇格組のフルハムに引分、総得点3でリーグワーストと課題の得点力不足は解決されていません。クラブ史上最高額を投じて獲得した目玉のブリュースターもここまで不発と、後々響きそうな課題となっています。
②守備の軽さ
そして何より目に付くのは昨シーズン見られなかった「守備の軽さ」が散見されているのは気になる所です。
守備のリーダーで戦術のキーマンであったオコンネルが膝の手術で今シーズン絶望的になってしまった事は非常に大きく、現在スティーブンズが左センターバックを務めています。しかしどうしてもオコンネルのような働きは出来ず緻密な戦術の浸透にも時間がかかっている状況です。その歪みがチームに派生してプレスの強度を弱めてしまっていると感じられ、新加入のアンパドゥの起用も含めて彼の穴をどう埋めるのかが当面の課題となってくるでしょう。
③ワイルダー監督の存在
中心選手の離脱、得点力不足と危機的状況にあるシェフィールドですが、チームにはワイルダー監督がいます。2018-2019シーズン、リヴァプールのクロップ監督、シティのグアルディオラ監督を抑えリーグ最優秀監督賞を受賞したワイルダー監督は、翌2019-2020シーズンでもリーグ最低クラスと評されたチームを見事9位に導きました。
特にセンターバックをサイドバック的にオーバーラップさせて数的優位を作る独自の戦術は各方面から称賛されビッグクラブ就任の有力候補となっています。
この苦境を知将ワイルダー監督がどう脱するかが注目されます。
昨シーズンの躍進がフロックでないことを示したいシェフィールド。苦しい戦いの末に行きつくのは残留という「天国」が降格という「地獄」か、注目していきたいです。
では